研究課題/領域番号 |
14710243
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
日本史
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研究機関 | 北海道開拓記念館 |
研究代表者 |
山田 伸一 北海道開拓記念館, 学芸部, 研究員 (30291909)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2004年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2003年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2002年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | アイヌ民族 / 開拓使 / 狩猟 / 勧業政策 / 資源保護 / 有害鳥獣 / 県庁文書 / 環境歴史学 / 野生生物 / 日中交易 / 缶詰 / 環境史 |
研究概要 |
1)1876年開拓使制定の「北海道鹿猟規則」下におけるシカ狩猟・流通・製品加工・消費などの実態を調査した。その結果、(1)比較的詳しい把握ができた胆振地方については、同規則による免許取得者のなかでアイヌ民族が占める割合が圧倒的に高い、(2)開拓使が十勝・釧路などにおいて、官製の広業商会にアイヌ民族からのシカ角・皮等の独占的買い上げを認めたのは、「好商」対策であると同時に、対外交易振興のための物産の独占という側面があった、(3)胆振地方については、苫小牧・白老などの地元在住商人に加えて函館在住商人がシカ皮・角の買い上げ・輸送に関与していた、(4)開拓使は勇払郡の美々に設けた鑵詰製造所製造のシカ肉鑵詰を、東京・横浜方面など国内の他、ウラジオストク・上海など海外にまで売り込もうと模索を進めていた、などの事実を確認した。 2)新聞資料の調査により、開拓使が産業振興を目的としてシカ数頭を放した奥尻島のその後を追い、1900年頃にはシカの増加による農業被害が深刻となり、住民が他地域からの狩猟者の流入を排除しつつ駆除の許可を求める請願活動を道庁に対して行っていることを明らかにした。 3)岩手県・秋田県・栃木県・神奈川県について、明治期の鳥獣に対する政策に関する史料の所在状況を調査した。そのうち史料の保存状況が良好だった岩手県についてより詳細な調査を実施し、遠野方面で猟獲されたシカが盛岡に輸送されて肉が販売されていること、開拓使の美々錐詰製造所製の鹿肉鑵詰が盛岡で販売されていることなどを確認した。同県についてはまた、シカと密接な生態学的関係があるオオカミについて、その被害状況や駆除報奨金制度について調査し、北海道と比較する素材を得た。秋田・岩手両県については、1883年に農商務省が実施した有益有功有害鳥獣調査の報告原稿を複写によって収集した。
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