研究課題/領域番号 |
14710244
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
日本史
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研究機関 | 北海道開拓記念館 |
研究代表者 |
三浦 泰之 北海道開拓記念館, 学芸部, 研究員 (50300843)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2003年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2002年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 芸能興行 / 興行主 / 侠客的存在 / 都市下層社会 / 北前船交易ルート / 松前三湊 / 蝦夷地 / 社会構造 / 芸能 / 和人地 / 北海道 / 文化 |
研究概要 |
本研究は、近世中期から近世近代移行期に、松前三湊と呼ばれた福山、江差、箱館で行われた芸能興行について、その基礎的なデータの集積と、それをもとにして「芸能」に視座を置いて、当該期の蝦夷地・北海道の社会構造・文化を明らかにすることを目的とした。 平成15年度の実績は以下の通りである。 (1)平成14年度以来、調査・収集を続けてきた、北海道大学附属図書館などが所蔵する関連史料についてデータベース化を進めた。また、本研究では、「芸能」に視座を置いて、北前船交易ルートの文化史的意義の解明に向けての展望を得ることも目的であり、東北・北陸地方において関連史料の所在調査を行い、新潟県・十日町情報館所蔵徳永家文書など、実際に所在が確認できたものについて予備的調査を実施した。 (2)収集した史料の一部を用いて、近世後期の松前三湊における芸能興行について、その興行主の動向を明らかにした。具体的には、天保期の松前三湊には「三ヶ場所芝居建テ本」と呼ばれた興行主が存在して、松前三湊の芝居小屋での芸能興行を取り仕切っていたこと、その興行主は松前で「旅人宿」も務め、松前和人地を訪れる旅人の管理・統制を幕藩権力から担わされていたこと、そして、そうした興行主の社会的存在の位相は、近年の近世芸能史研究において芸能興行の運営における重要性が指摘されている「侠客的存在」と同様に位置付けられること、つまりは松前三湊における都市下層社会の動向の一端を明らかにし得たこと、が挙げられる。 今後は、本研究課題での成果をもとに、当該期における松前三湊の社会構造や文化について考察を深めていくとともに、松前三湊での芸能興行を担った芸能者・芸能集団に関する調査を継続して行い、北前船交易ルートの文化史的意義の解明に迫っていきたいと考えている。
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