研究課題/領域番号 |
14710254
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
東洋史
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
伊藤 友美 神戸大学, 国際文化学部, 助教授 (40337746)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
2004年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2003年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2002年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | タイ / 仏教 / 女性 / 比丘尼 / メーチー |
研究概要 |
平成16年度には、まず6月26日-7月5日に韓国で開催された国際女性仏教徒会議に参加した。同会議では、これまでタイにおいて進行中の比丘尼復興運動に関する研究成果を報告し、またスリランカ、カンボジア、ベトナム、韓国、台湾、チベット、モンゴルなど、タイ以外の仏教国から参加した女性仏教徒と情報・意見交換を行った。特に、タイに先行して比丘尼復興運動が急速な進展を見せているスリランカの比丘尼および在家支援者からは、タイの各比丘尼支援グループが、スリランカのどのグループと接点を持っているのかについての、貴重な情報を得ることができた。 次に8月22日-9月1日には、タイで比丘尼復興運動の新展開について、聞き取り調査および資料収集を行った。これまでタンマナンター比丘尼を中心に、複数のグループが相応の協力関係を保ちながら、比丘尼復興運動を展開していたのであるが、この調査時までに比丘尼復興運動推進者の間で相互不信が強まっていることが確認された。とりわけ、タンマナンター比丘尼を協力に後押ししていた女性上院議員ラビアップラット・ポンパーニットが、比丘尼復興運動に対する積極的支援を停止したことは、重要であると考えられる。また、スリランカと強力なパイプを持つタンマナンターから支援を得られない女性たちが、タイ人の僧侶によって沙弥尼の戒を受ける動きが、急速に拡大していた。タンマナンターのグループが厳格な人選を行っているのに対し、後者のグループは比丘尼出家に対する強い意欲をもつ女性たちに広く門戸を開いている。しかし、後者のグループに属する沙弥尼たちが比丘尼に出家するためには、スリランカの比丘および比丘尼による得度を受ける必要があるが、スリランカ渡航・滞在資金、タイ帰国後の見通しなどの点で、実現には多くの課題が残っている。 平成17年2月12日-17日、再度、タイでの聞き取り調査および資料収集を行う。
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