研究課題/領域番号 |
14710255
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
東洋史
|
研究機関 | 大阪樟蔭女子大学 |
研究代表者 |
佐藤 達郎 大阪樟蔭女子大学, 学芸学部・日本文化史学科, 助教授 (30340623)
|
研究期間 (年度) |
2002 – 2004
|
研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
|
配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
2004年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2003年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2002年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
|
キーワード | 揚雄 / 胡広 / 官箴 / 古官箴 / 官制理念 / 漢官解詁 / 敦煌馬圏湾漢簡 |
研究概要 |
本年度は、昨年度までの訳注の成果を踏まえて論考編を発表した。そこでは、あらためて前漢から後漢までの官箴書を通観し、それらに通底する基調、および前漢から後漢にかけての内容・表現における変化を明らかにするとともに、その歴史的位置づけについて展望した。すなわち前漢末の揚雄が古典を模倣して創始した官箴は、王莽政権下における政治状況を敏感に反映しつつ、理念と鑑戒の書として後世に大きな影響を与えることになった。その影響のもとに後漢の諸家が継作した官箴は、内容・型式の上で揚雄の作を基本的に継承しつつ、前漢の故事を多々引用し、官名の上でも同時代の緊要な官職がよく選ばれるなど、具象性を増している傾向を指摘できる。これらの諸箴は最終的に胡広によって集大成・注解され、その荘重典雅な文学的美観と儒家的理念ゆえに、政治規範の書として次の魏晋時代に継承され、実際の政治に役立てられるようになった。抽象的で具象性に欠けると言われてきた漢魏の官箴は、むしろそれゆえにこそ儒家的理念の重んじられた後漢・魏晋時代に継作され、活用される必然性を持っていたのであり、大唐六典に結実する六朝期の官制理念の、一つの源流がそこに見られることを予期的に指摘して今年度の作業を終えた。 以上の研究を進め、成果として公表するに当たり、交付された補助金で購入された史料および研究書が十分に活用されたことを付言する。
|