研究課題/領域番号 |
14710257
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
西洋史
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研究機関 | 津田塾大学 (2004) 埼玉大学 (2002-2003) |
研究代表者 |
井田 靖子 (菅 靖子) 津田塾大学, 学芸学部, 助教授 (20312910)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2004年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2003年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2002年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 室内装飾 / デザイン / デザイン教育 / イギリス / 領大戦間期 / マンチェスター / 綿産業 / デザイン学校 / デザイン史 / マンチェスタ / 文化支援 / 美術展覧会 / ヴィクトリア朝 / キャリコ・プリント産業 |
研究概要 |
夏には主にロンドンの国立美術図書館およびアーカイブ・オブ・アート・アンド・デザインにて両大戦間期から戦後にかけてのトレード・ジャーナルを検証した。具体的には、『ディスプレー』誌や『ステューディオ』誌などである。 そこから、キャリコ・プリント産業は、20世紀初頭には市場競争力が大きく落下したが、その盛り返しのために、デザインに従来よりも関心を払うようになったことが明らかとなった。具体的には、以下の点が明らかとなった。 1.両大戦間期に新たに設立された産業デザインを振興する団体(ブリティッシュ・インスティテュート・オブ・インダストリアル・アートやカウンシル・フォー・アート・アンド・インダストリー)と結託して、産業界のデザインの問題の分析に取り組んでいる。 2.第一次世界大戦後には室内装飾用のファブリック使用が再び活発化したが、その中でとりわけ1930年代にはランカシャーのキャリコ・プリント製造会社の広告や記事が頻繁にトレード・ジャーナルに掲載されており、デザインに力を入れ始めたことをうかがわせる。 3.19世紀から第二次世界大戦後にかけて、キャリコ・プリントのパターン・デザインはイギリスの重要な表象となってきていた。戦後のブリテン祭では、イギリスの現状を表現したパターン・デザインがわざわざ創出された程である。19世紀よりキャリコ・プリント産業が「悪趣味」だとデザイン改革論者たちから批判され続けてきたが、これはイギリスの文化ナショナリズムとも関連性を持つ、より大きな問題として捉えることができるのではないだろうか。 これまでの研究の成果の一部は、次年度刊行予定の著書『文化ナショナリズムとデザイン-イギリスにみる表象の政治学』(仮)に所収される。
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