研究課題/領域番号 |
14710277
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
考古学(含先史学)
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研究機関 | 東亜大学 |
研究代表者 |
鵜澤 和宏 東亜大学, 総合人間・文化学部, 助教授 (60341252)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2004年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2003年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2002年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | ピンザーブ洞穴 / 更新世 / 動物化石 / タフォノミー / 動物考古学 / 沖縄 / 解体痕 |
研究概要 |
今年度の調査概要 沖縄県立博物館に収蔵されているピンザーブ洞穴出土ミヤコノロジカ化石約1200点にについて観察とデータ採集を終了した。今年度は、特に歯牙の萌出・置換・咬耗状態の採録に焦点をおき、年齢構成を推定して化石資料の形成に人為的な関与がみられるかどうかを検討した。 歯牙咬耗による死亡年齢構成 Stinerの方法にしたがって、第4乳臼歯から第4前臼歯への置換、および第4前臼歯の咬耗度の観察から、juvenile, prime, oldの3年齢群に区分して検討をおこなった。一般的に、化石群集に観察される死亡曲線には、死亡率の高い幼獣(juvenile)および老獣(old)が卓越するパターンと、人口曲線をそのまま反映するパターンの二つのモデルが想定される。これに対して、人類の狩猟活動によって集積される動物遺体は、若獣(prime)を主体とする点に特徴がある。ピンザーブ洞穴の第IIホール、および第IIIホールから得られた歯牙資料を上記3モデルと比較した。その結果、第IIIホールから得られた資料は人口曲線を反映したパターンを示し、第IIホールから得られた資料の年齢構成は、幼獣と老獣の比率が高いパターンを示した。このことからノロジカ化石資料の形成には複合的な要因が関与していることが示唆される。しかし、両ホールから出土した資料とも、人類による動物狩猟に特徴的な成獣中心のパターンを示さなかった。 ピンザーブ洞穴出土ノロジカ化石群の形成要因 昨年度までにおこなった四肢骨の出現頻度、破砕パターンの分析など、すべての分析結果を総合すると、ピンザーブ洞穴のノロジカ化石の主体は、ヒトの活動によらず、自然死個体の流入などによって堆積、形成された可能性が最も高いと結論される。
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