研究課題/領域番号 |
14710288
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
考古学(含先史学)
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研究機関 | 独立行政法人文化財研究所奈良文化財研究所 |
研究代表者 |
渡辺 丈彦 独立行政法人文化財研究所奈良文化財研究所, 飛鳥藤原宮跡発掘調査部, 研究員 (90343003)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2004年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2003年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2002年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | 旧石器時代 / 日本東北地方 / 非頁岩産地帯 / 石器石材 / 硬質頁岩 / 石材選択 |
研究概要 |
本研究では、東北地方で石器石材として利用される硬質頁岩の産地帯に立地する遺跡と、それ以外の遺跡の間で、石材の利用状況(石材選択を含む)に差異があるのかを比較検討することを目的としている。分析対象遺跡には、共通した石器製作技術基盤を持つ遺跡が好ましいと考え、本研究では「東山系」石刃石器群を対象に選んだ。「東山系」石刃石器群は発達した石刃技法を保有し、基部加工の東山型ナイフ形石器、エンド・スクレイパー、小坂型彫刻刀形石器を特徴的に組成する石器群である。代表者は既に頁岩産地帯に立地する「東山系」石刃石器群の原産地遺跡、山形県お仲間林遺跡の分析を終えている。今年度は昨年度に続き、非頁岩産地帯に立地する諸遺跡出土資料の実見・分析を行った。具体的には岩手県和賀川流域の大渡II遺跡・耳取I遺跡・峠山牧場I遺跡、長野県飯山市太子林II遺跡、宮城県名取市野田山遺跡、同仙台市上ノ原山遺跡上層出土の資料である。分析の結果、「東山系」石刃石器群では、容易に頁岩を採取できない環境においてもその入手・利用に強いこだわりを見せ、在地産石材の利用が必要な局面においても頁岩に近似した石質のものを選択的に利用することが明らかとなった。 昨年度までの研究も踏まえ、上記の研究成果の一部は、「東北地方日本海沿岸における石器石材の利用-東山系石刃石器群の分析から-」『時空を超えた対話-三田の考古学-』(2004年5月)に論文として公表し、12月には日本旧石器学会第2回シンポジウム「石刃技法の展開と石材環境」において「珪質頁岩の石材環境-東山系石刃石器群の石材利用のあり方から-」というテーマで発表を行った。
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