研究課題/領域番号 |
14710292
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
国語学
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研究機関 | 名古屋工業大学 |
研究代表者 |
宮地 朝子 名古屋工業大学, 留学生センター, 講師 (10335086)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2003年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2002年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 日本語助詞 / 限定 / 文法化 / 方言 / ヨリ / シカ / 意味の再解釈 |
研究概要 |
本研究課題は、日本語の限定の助詞シカと、限定助詞類(バカリ・グライ・ヨリ・ホカ・キリ……)との関係性について日本語の助詞に係る構文構造とその史的変化からの解明を目指すものである。 研究計画においては、1.方言におけるシカ類の意味論的分析、2.同要素の歴史的変化・地理的変容の分析、3.変化の要因となりうる言語内・言語外的条件の考察、が課題であった。 平成15年度は、平成14年度の用例採集・データ分析を受け、特に助詞ヨリに注目してデータの再整理を行った。ヨリは、複雑多岐な歴史的変化・地理的変容を見せ、かつデータも多い。また意味的にも用法は広く、その複雑さ・意味用法の広さのメカニズム分析は、本研究課題及び次の段階となる構造的な問題の解明につながる。 平成15年度は、限定のとりたて助詞に関する歴史的変化の考察が刊行され、公表できた,(「限定のとりたての歴史的変化-中世以降-」『日本語のとりたて-現代語と歴史的変化・地理的変異』(くろしお出版))。その中で「ばかり」「より」「から」などの名詞・格助詞出自の要素が限定の意味を持つメカニズムについて、当該言語要素が(「xより」等の形で)とりたてる事物xを含む均質な属性を持つ要素の集合を前提するという共通点を指摘した(前掲書pp.196-198)。これを「より」に適用し、比較の基準・起点・其他否定という意味機能をつなげる文法化のメカニズムについての論考を現在論文化している。また現在、「より」に関わる近世文法学説に言及する論文を執筆中である。研究代表者の修士論文にその着想の一端を示したが、本研究の成果によって論を補強し、近世末富士谷成章に至って初ゆて「おくより」という記述が可能であったという点を指摘する。この2点の公開は研究年度内に叶わなかった。早急にまとめて公開し本研究課題から発展する諸課題に有効に反映させていく。
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