研究課題/領域番号 |
14710296
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
国語学
|
研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
鈴木 功眞 日本大学, 文理学部, 助手 (00339235)
|
研究期間 (年度) |
2002 – 2004
|
研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
|
配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2004年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
2003年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2002年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
|
キーワード | 倭玉篇 / 玉篇 / 古辞書 / 漢和辞典 / 円乗本 / 第四類本 / 新編訓点略玉篇 / 古活字版 / 龍龕手鑑 / 編目次第 / 音訓篇立 / 拾篇目集 / 類字韻 / 漢和辞書 |
研究概要 |
本年度は次の研究を行った。 第1に、従来、『円乗本』の『倭玉篇』と呼ばれてきたものが、天理図書館所蔵の『日柔筆本』と同一であることが、記載内容から明らかとなった。この『円乗本』は、今まで『倭玉篇』諸本の系譜の中で、『第四類本』以降の基礎であったと考えられていたが、部首排列や掲出字排列、記載注といった内容を対照させ、原点の確認を行った結果、もともと、『第四類本』のひとつとして書写されたそのものを改編し、料紙を追加し、内容を増補した、後の成立のものであることを証明した。つまり、これまでは『倭玉篇』諸本の系譜の中でも、起点に近い重要な資料と考えられていたのであるが、本研究によって、位置付けを全く逆転させるべきであることが明らかとなったのである。 第2に、本受給者は、既に『新編訓点略玉篇』の諸本に就いて成果を発表していたが、京都女子大学図書館吉沢文庫にも、『新編訓点略玉篇』が1点所蔵されていることを明らかにした。 本資料は、日本大学や天理図書館に所蔵の『新編訓点略玉篇』とは、また異なった巻構成であるが、『倭玉篇』諸本との部首排列や掲出字排列、記載注を対照させた結果、やはり『新編訓点略玉篇』系統の1本であることを証明した。つまり、本受給者はこれまで、『新編訓点略玉篇』の諸本は、限られた範囲で享受されていたと想定していたのであるが、ここで、この系統の資料が思いの外多く流布していた可能性を秘めていることを知り得たのである。 第3に、『慶長版倭玉篇』の増補依拠資料に就いての口頭発表を行った。この内容に就いては、現在、学術雑誌への投稿準備中である。 以上のように、今年度は、本研究課、題の最終段階として、従来取り上げられなかった諸本を対象として、『倭玉篇』の歴史的変遷を考察した。
|