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近世説話と曲亭馬琴の読本・合巻の研究

研究課題

研究課題/領域番号 14710303
研究種目

若手研究(B)

配分区分補助金
研究分野 国文学
研究機関東京学芸大学

研究代表者

湯浅 佳子  東京学芸大学, 教育学部, 助教授 (00282781)

研究期間 (年度) 2002 – 2003
研究課題ステータス 完了 (2003年度)
配分額 *注記
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2003年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2002年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
キーワード累 / 紅皿欠皿 / 因果応報 / 勧善懲悪 / 怪異小説 / 馬琴 / 読本 / 説話・伝承 / 曲亭馬琴 / 合巻 / 説話 / 伝承
研究概要

本研究は、曲亭馬琴の読本・合巻作品の典拠調査から作品論を目指すものである。今年度は、昨年度同様に馬琴の初期の読本作品に注目し、物語世界がどのような先行作品をふまえ、それをどのような世界として描いているのかについて考察した。
まず、馬琴読本世界の中で輪廻転生や因果応報という仏教的世界観、儒教的な道徳観念を背景として主張される善悪の問題について考えてみためが、「『新累解脱物語』考」である。『新累解脱物語』は、文化四年という比較的初期の中編読本作品であるが、馬琴読本の中でも登場人物の善悪の設定が曖昧な作品と評価されてきた作品である。そこで本論では、人物の善悪の描かれ方について詳細に検討した。その結果本作品では、従来の怪異説話を利用しながら、その怪異性よりもむしろ因果応報の理が強調され、親から子へ、子から孫へと、人物が犯してきた罪の報いが受け継がれる世界を描いていること、また、珠鶏という女性の善を終始一貫して描くことにより、勧善懲悪の世界が全うされているということが明らかになった。読本作品が前代の怪異説話をどのように継承・展開させたかを示した一論である。
また、「『盆石皿山記』小考」では、同じく馬琴の中編読本『盆石皿山記』における善悪・神威の問題を、典拠作品との比較から考察したものである。そこでは、本作品が、浄瑠璃『苅萱桑門筑紫〓』の世界を、殺生の罪という問題を強調しつつ取り入れていること、また、紅皿欠皿伝説に取材した幾種かの草双紙作品や民間伝承に基づきながら、継子いじめの因果応報譚を描いていること、さらに、それら登場人物の罪の消滅が、皿屋敷伝説を展開させた話に添いながら、名僧による怨霊解脱譚としてなされていることを指摘した。

報告書

(2件)
  • 2003 実績報告書
  • 2002 実績報告書
  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 湯浅佳子: "助と累-『死霊解脱物語聞書』-より"日本文学. 54巻8号. 4 (2003)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書
  • [文献書誌] 湯浅佳子: "『盆石皿山記』小考"東京学芸大学紀要2部門. 第55集. 8 (2003)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書
  • [文献書誌] 湯浅佳子: "『新累解脱物語』考"鯉城往来. 6巻. 8 (2004)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書
  • [文献書誌] 湯浅佳子: "源氏物語の江戸的享受"『おさな源氏』『十帖源氏』. 4 (2003)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書
  • [文献書誌] 湯浅佳子: "『三七全伝南柯夢』の楠譚"東京学芸大学紀要. 54集. 301-309 (2003)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] 湯浅佳子: "『松浦佐用媛石魂録』の忠義と情愛"新読本研究. 4集. (2003)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書

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公開日: 2002-04-01   更新日: 2016-04-21  

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