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モンゴル時代の出版文化と諸制度の研究

研究課題

研究課題/領域番号 14710317
研究種目

若手研究(B)

配分区分補助金
研究分野 中国語・中国文学
研究機関京都大学

研究代表者

宮 紀子  京都大学, 人文科学研究所, 助手 (60335239)

研究期間 (年度) 2002 – 2004
研究課題ステータス 完了 (2004年度)
配分額 *注記
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2004年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2003年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2002年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
キーワードモンゴル時代 / 大元ウルス / 道教 / 書誌学 / 『老乞大』 / 『花関索伝』 / 命令文 / 徽州文書 / モンゴル / 高麗 / 朝鮮 / 鎌倉 / 室町 / 地図 / 類書 / 出版文化 / 科挙 / 廟学典礼 / 丹〓独対 / 元典章 / 大元通制
研究概要

国立公文書館内閣文庫、宮内庁書陵部、台湾国家図書館等に蔵される元刊本を集中的に調査、複写し、関連資料と併せて分析を進めた。まず1998年に韓国で発見された旧本『老乞大』を手がかりに、直訳体がアルタイ系民族と漢族との接触によって北方中国で発達したクレオール的中国語「漢児言語」を反映するとみなす説への批判を展開、モンゴル政府によって創り出された翻訳システムが、高麗、朝鮮、明、清に継承された事実を膨大な資料を提示して指摘し、そこで使用されたモンゴル語、漢語のテキスト、『老乞大』『朴通事』の成立年代についても新見解を提出した。次にモンゴル時代に隆盛をきわめた道教教団のひとつ正一教が、皇帝の認可のもとに教団の歴史を自らまとめ刊行した『龍虎山志』に着目し、『元史』の「釈老志」をもとに記述されることが多かった従来の道教史を見直し、さまざまな誤りを訂正した。さらにモンゴル命令文について新たな指摘を数点行ったほか、同時代の碑刻、典籍一般に共通する問題点-資料としての限界についても論じた。第三に、南京図書館に現存する天下の孤本-大元ウルス末期から明の初期にかけて活躍した江西省出身の一官僚がものした文集の記述を手がかりに、詞話『花関索伝』(明代中期のテキストが現存)の成立が、少なくとも至正年間(1340-1368)にまでさかのぼること、同時期『楊家府演義』のもとになった『楊文広伝』も流行していたこと、詞話はこれまで大衆の演芸と看做されてきたが、テキストに関する限り、官僚や在野の文化人たちも愛読していたことを指摘した。第四に、従来の徽州文書研究への疑義、挑戦の意味をこめて、『新安忠烈廟神紀実』なる書物に収録される複数の重要な文書を手がかりに、モンゴル時代の安徽省の地域社会の組織、宗教祭祀の実態、道教と仏教の争い、モンゴル王朝の地方神の保護等を論じた。

報告書

(3件)
  • 2004 実績報告書
  • 2003 実績報告書
  • 2002 実績報告書
  • 研究成果

    (14件)

すべて 2005 2004 その他

すべて 雑誌論文 (6件) 文献書誌 (8件)

  • [雑誌論文] 徽州文書新探-『新安忠烈廟神紀実』より-2005

    • 著者名/発表者名
      宮 紀子
    • 雑誌名

      東方学報(京都) 77

      ページ: 64-1

    • 関連する報告書
      2004 実績報告書
  • [雑誌論文] モンゴルが遺した「翻訳」言語-旧本『老乞大』の発見によせて-(下)2004

    • 著者名/発表者名
      宮 紀子
    • 雑誌名

      内陸アジア言語の研究 19

      ページ: 157-209

    • NAID

      120004848842

    • 関連する報告書
      2004 実績報告書
  • [雑誌論文] 『龍虎山志』からみたモンゴル命令文の世界-正一教教団研究序説-2004

    • 著者名/発表者名
      宮 紀子
    • 雑誌名

      東洋史研究 63-2

      ページ: 94-128

    • 関連する報告書
      2004 実績報告書
  • [雑誌論文] 花関索と楊文広2004

    • 著者名/発表者名
      宮 紀子
    • 雑誌名

      汲古 46

      ページ: 36-41

    • NAID

      40006566482

    • 関連する報告書
      2004 実績報告書
  • [雑誌論文] 釈清濬二則2004

    • 著者名/発表者名
      宮 紀子
    • 雑誌名

      15・16・17世紀成立の絵図・地図と世界観NEWS LETTER 8

      ページ: 14-14

    • 関連する報告書
      2004 実績報告書
  • [雑誌論文] 「『混一疆理歴代国都之図』への道」拾遺2004

    • 著者名/発表者名
      宮 紀子
    • 雑誌名

      15・16・17世紀成立の絵図・地図と世界観NEWS LETTER 9

      ページ: 2-4

    • 関連する報告書
      2004 実績報告書
  • [文献書誌] 宮 紀子: "「對策」の對策-大元ウルス治下における科擧と出版-"古典学の現在. 5. 5-126 (2003)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書
  • [文献書誌] 宮 紀子: "モンゴルが遺した「翻訳」言語-旧本『老乞大』の発見によせて-(上)"内陸アジア言語の研究. 18. 53-96 (2003)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書
  • [文献書誌] 宮 紀子: "「混一彊理歴代國都之圖」への道-14世紀四明地方の「知」の行方-"絵図・地図から見た世界像. 3-130 (2004)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書
  • [文献書誌] 宮 紀子共著: "NHKスペシャル文明の道(5)モンゴル帝国"NHK出版社. 264 (2004)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書
  • [文献書誌] 宮 紀子: "『廟學典禮』箚記"東方學. 104. 50-63 (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] 宮 紀子: "附属図書館の珍本-公開展示『学びの世界』の選書から-"静脩. 39-3. 6-9 (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] 宮 紀子: "「對策」の對策-大元ウルス治下における科擧と出版-"古典学の現在. V. 5-126 (2003)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] 宮 紀子(共著): "学びの世界-中国文化と日本-"京都大学附属図書館・総合博物館・大学院文学研究科. 178 (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書

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公開日: 2002-04-01   更新日: 2016-04-21  

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