研究課題/領域番号 |
14710320
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
中国語・中国文学
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
大岩本 幸次 大阪市立大学, 大学院・文学研究科, 講師 (10336795)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2003年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2002年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 金代 / 字書の受容 / 中国古代 / 出版分化 / 中国 / 字書 / 明代 |
研究概要 |
本年度は主として明代の中・後期に陸続と出版された「海篇類」字書群について、その系統を明らかにすべく調査・検討を行なった。日本国内および台湾に所蔵される「海篇類」については、ほぼ全ての種類について内容を目にすることができた。中には改装期間中のためといった理由で資料の閲覧が不可能な機関もあったが、同種と思われる版本を他の機関で見ることができ、網羅的作業を行なう上でそう大きな支障は生じなかったと考える。閲覧を許された「海篇類」については、詳細に書誌的データをまとめ、目録を完成した。発表の価値あるものと考えるが、ただ、中国大陸にのみ所蔵される「海篇類」4種について、冬季の調査を予定していたが、冬季における新型肺炎(SARS)の捲土重来を懸念した関係で、調査を実施するに至っておらず、目録として十全とは言い難いため、今年〓内の発表は断念した。 「海篇類」の相互関係は予想以上に複雑であることが、調査を進めていく過程で分かってきた。ある一つの「海篇類」が編纂されるに当たって、必ずしも特定の「海篇類」一種が底本に用いられる訳ではなく、複数の「海篇類」の内容が混在する場合も頻見し、関係の不明なものも少なくない。かように複雑な「海篇類」の状況ではあるが、系譜の作成自体は十分に可能と考えられ、大陸の書誌調査を済ませた上で、目録と相互関係についてまとめた論考を来年度の紀要に載せることを予定している。 その他、金代字書の後世における受容に関連しうる資料が二種確認された。一つは南宋・祝泌の『皇極經世解起數訣』であり、これについては校訂本を作成し、公刊した。もう一つは元・楊桓の『書学正韻』という資料であり、この資料についての論考も来年度発表する準備を進めている。
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