研究課題/領域番号 |
14710323
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
英語・英米文学
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研究機関 | 北見工業大学 |
研究代表者 |
小川 芳樹 北見工業大学, 工学部, 助教授 (20322977)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2003年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2002年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | 英語学・言語学 / 生成文法理論 / 比較統語論 / 日英語対照研究 / 代名詞の束縛理論 / 単純現在時制 / 数量詞の作用域 / 演算子の移動 / 日英仏語対照研究 / 条件節の時制と解釈 |
研究概要 |
申請者の専門分野である「生成文法理論」は、英語学および言語学に属し、人間の言語能力の背後にあると考えられる生得的な言語知識、すなわち「普遍文法」の解明を目指している。この大目標のもとで、申請者は、14年度から、言語の構造と意味に関わる2つの重要な現象である、数量詞の作用域と代名詞の分布について研究しているが、15年度からは、これに関連して、時制の形態と解釈の関係についての研究を行っており、その領域で、いくつかの研究成果を発表した。その成果は2つに大別できる。第1は、『市河賞36年の軌跡』に掲載された「束縛理論(B)再考」、および、日本英語学会の機関誌であるEnglish Linguistics 20(1)に掲載された、"Microparametric Syntax and Minimalist Syntax"である。「束縛」とは代名詞の指示に関する現象で、生成文法理論が現在の極小主義プログラムに移行する前の、いわゆる「GB理論」で集中的な研究がなされたものの、極小主義プログラムになって以降、顕著な進展が見られず、説明すべき重要な事実が説明されずに残っている領域の一つである。上記2つの論文は、この領域において残されている重要な問題を、新たな提案によって打開する試論である。申請者の第2の研究成果は、東北大学文学部英語学研究室の機関誌であるExplorations in English Linguisticsの第19巻(2004年3月刊行予定)に掲載予定の論文であるが、日本語で、単文では現在時制の形態と解釈が一致しないが一定の従属節内では一致するという興味深い言語事実を発掘し、これについて、最新の生成文法理論の理論的枠組みを用いた説明方法を提案している。これらは、いずれも、日本語と英語の従属節の主語や時制形態素に見られる、一般的予測と反する言語事実に対して、生成文法理論の最新版である極小主義理論の枠組みのもとで、一定の反証可能な説明を与えたものである。
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