研究課題/領域番号 |
14710378
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
言語学・音声学
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研究機関 | 弘前学院大学 |
研究代表者 |
楠本 紀代美 弘前学院大学, 文学部, 講師 (50326641)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
2004年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2003年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2002年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 時制 / 韓国語 / ヘブライ語 / 副詞節 / 関係詞節 / 副詞句 / 量化子 / 分詞 |
研究概要 |
時制の一致のない日本語とロシア語・ポーランド語との比較、そしてそれらの言語と時制の一致のある英語の比較分析により、Kusumoto 1999ではこれら三つの時制の一致のない言語間に見られる共通点は間接話法などの命題態度動詞の埋め込み環境に限られ、それ以外の環境、例えば、関係詞節や時の副詞節では、これらの言語は異なる振る舞いをすることが明らかになった。またそれを基に時制の一致の有無と埋め込み環境の種類が関連するという仮説が提案された。本研究の目的は研究対象言語に韓国語、ヘブライ語を含めこの仮説をさらに検証することである。 主節過去時制の下に埋め込まれた従属節の現在時制が過去時を表しうるかという観点から見ると韓国語の関係詞節および副詞節での時制解釈のパターンは日本語と似ているのに対し、ヘブライ語は韓国語や日本語、ロシア語やポーランド語とも異なる第3の類型(関係詞節は時制の一致のない言語と同型、副詞節は時制の一致のある言語と同型)に属すると結論付けられた。韓国語の時制解釈については、日本語と同様に副詞節は演算子移動がなく、副詞節の時制は主節を通じて間接的に意味解釈されるとし、関係詞節にも分詞のような構造が可能であるとした。それに対し、ヘブライ語の副詞節は英語やロシア語などと同様演算子移動のある構造で直接的に時制解釈を行い、関係詞節は間接時制であるとした。この分析の問題点は、ヘブライ語では命題補文、副詞節、関係詞節ともに補文標識によって導かれ、構造上の相違がないように見える点である。本研究では意味論上の説明を与えたが、今後韓国語や日本語データの見直しを含め、より包括的な説明を模索すべきである。
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