研究課題/領域番号 |
14720006
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
基礎法学
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
仁木 恒夫 久留米大学, 法学部, 講師 (80284470)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2003年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2002年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | 法律事務員 / 法律事務 / チームワーク(協働) / 依頼者の自律支援 / チームワーク |
研究概要 |
本研究は、法律事務員の「法律事務」の実態を把握したうえで、実効的な法的サービスの提供へ向けた弁護士との協働態勢確立のための理論的枠組構築を目的とする。この研究目的を達成するために、本研究では、多様な「法律事務」を総合的に理解するための総論的検討をおこなうとともに、類型的に整理する各論的検討をおこなってきた。 平成14年度は、文献の検討およびインタヴュー調査による実態把握を中心に遂行し、年度末に本研究の基本的な座標軸を設定するにいたった。平成15年度は、平成14年度の作業を継続しつつ、獲得した座標軸にそって各論的検討をすすめるとともに、それらを統合する総論的枠組の精錬をおこなった。またとくに、各地で法律事務員をふくむ研究会で頻繁に報告をおこない、さらには日本弁護士連合会による第13回弁護士業務改革シンポジウム第1分科会「事務職員との協働による業務革命-多様化する法律事務所の新たな展開-」へパネリストとして参加し、資料「法律事務員の多様な能力の発揮を支える基盤としての協働態勢」を投稿した。 総論としては、(1)多様な「法律事務」は、法律事務所全体で達成すべき依頼者の自立支援へむけて、実践的洞察力に基づく知識技術の活用能力が求められること、(2)日弁連で実施したアンケートの分析結果によれば、現在、「法律事務」を正当に評価し、さらに法律事務員の能力発揮および向上のための基盤形成過程にあること、などが明らかになった。 各論としては、(1)多重債務整理案件を素材に、非弁の危険性を多分に内包している「裁量的法律事務」が、法律事務員に工夫された弁護活動との接続により、適切さを確保することが可能であること、(2)個々には単純であるがゆえに軽視されがちな「一般的事務」や「定型的法律事務」も、所属事務所全般に対する総合的視界から個々の作業を調整して遂行することによって、弁護士と依頼者とのより望ましい接触を準備することが可能になるということ、(3)「法律事務」も、事務所の規模と弁護士の要請範囲により、その具体的な実践態様は4種型によって把握することが可能であること、などが明らかになった。 本研究の成果は、すでに一部公表ないしすでに原稿提出している部分もあるが、さらに全体を統合して単行本として刊行することを計画している。
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