研究課題/領域番号 |
14720071
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
政治学
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
和達 容子 長崎大学, 環境科学部, 助教授 (30325675)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2003年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2002年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | EU / 環境政策 / 民主的正統性 |
研究概要 |
平成14年度の研究実績を受け、EUにおける超国家的な問題解決を支える制度を調査した。折りしもEUは「ガバナンス白書」を採択し、さらなる統合の深化と拡大に耐えうるEU市民の信頼を得ようと模索しているところであった。公開性、参加、説明責任、有効性、一貫性が良い統治の原則として掲げられ、共通の問題に取り組んでいくためにEUレベルで何が必要とされているかという視点から(1)より良い参加、(2)より良い政策・規則および実施、(3)グローバル・ガバナンスへのEUの貢献、(4)政策や機関の見直しの提案がなされた。本研究においては、まずは(1)より良い参加を取り上げて、施策を検証し、正統性の点から議論を行った。 領域内に対する国家主権が何によって正当化されているかを考えれば、ガバナンス白書で行われた市民の信頼や同意を取り付けるための議論は必然であろう。問題の拡大を反映して、環境政策におけるその重要性はますます強調されている。詳細については、拙稿「EU環境政策に関する-考察:環境ガバナンスにおける参加と民主的正統性」(EU学会年報、第24号、2004年)を参照のこと。 EU内では国家の存在、彼らの意思、それぞれの多様性が否定されているわけではない。共通の問題として認識されてこそ超国家的な政策過程に載せられていくのである。「環境」がそのように認識・受容されることが他の国際機関との対比において顕著であり、それを支える持続可能な社会像や政治認識は引き続き研究中の部分である。 また、EU域内政策の新しさに比較して、EUとして対外的な行動をとる場合にはEUと構成国の二重構造がもたらす混乱も見られ課題が多い。拙稿「EUの地球温暖化対策:その推移と政治学的関心」(総合環境研究、第5巻第2号、2003年)を参照のこと。しかし、国際社会への貢献意欲は強く、彼らの新しい政策や提案は引き続き研究対象である。
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