研究課題/領域番号 |
14730040
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
経済政策(含経済事情)
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研究機関 | 大阪外国語大学 |
研究代表者 |
藤原 克美 大阪外国語大学, 外国語学部, 助教授 (50304069)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2003年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2002年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | ロシア / 企業 / 産業 / 破産 / リストラクチュアリング |
研究概要 |
ロシアでは、破産制度の利用も含めて、統合や買収が進展し、企業・産業構造は変化を続けている。5分の1の企業が何らかの厳格な構造を持つグループに属しているという報告や、近年では水平的統合が活発化しているという指摘もある。また、中・長期的展望を持った企業が増えており、生産の回復とともに(場合によってはそれを上回る)雇用吸収が続いている。しかし、その中でも鉱工業部門の大・中企業の雇用は減少している。産業構造の転換が進んでいると言えるだろう。 しかしながら、上述のような大・中企業について言えば、新規雇用ができない企業は「年老いて」きており、企業文化の変化もあまり見られない。98年危機以降の好景気はある意味で「死に至るべき」企業を「延命」させたのであり、リストラクチュアリングの課題は残されたままである。 企業破産をめぐる状況は、2002年末に新破産法が制定されて以降、若干変化した。新法は債権者の請求基準を厳しくし、債務者の権利を強くしたため、破産事件数そのものが減少している。また、脱税との関係が深いと言われていた不在債務者の破産処理が、国の予算が付かないために2003年度はストップした。2003年9月および2004年3月に行った管財人事務所でのインタビューでは、管財人の競争が制限されていることもあり、管財人の質が非常に低いことが問題として強調されていた。所有権の移転を目的とした債権者による破産法の「濫用」は減少したかもしれないが、企業のリストラクチュアリングという視点に立てば、新破産法および破産制度には、まだまだ問題が多い。 本年度は、2003年3月に執筆した「ロシアの破産制度(『ロシアにおける企業制度改革の現状』日本国際問題研究所)に新しいデータを加えてロシア語に翻訳し、ロシア人との議論に利用した。今後、論文としての体裁を整えて出版する予定である。
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