研究課題/領域番号 |
14730051
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
経済政策(含経済事情)
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研究機関 | 東洋大学 (2003-2004) 慶應義塾大学 (2002) |
研究代表者 |
橋本 優子 東洋大学, 経済学部, 助教授 (80333037)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2004年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2003年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2002年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 為替市場 / マイクロストラクチャー / 通貨危機 / 日本の銀行破綻 / 円ドルレート / Contagion / マーケットマイクロストラクチャー / 為替レート / GARCH / TICHデータ / 金融危機 / 円ドル為替レート / GARCH分析 / 分散 |
研究概要 |
平成14-16年度の3年間に、通貨・金融危機をきっかけとした為替変動の他国への波及効果や市場取引への影響について実証分析を行い、興味深い結果を得ることができた。 通貨危機の波及効果に関する分析の結果は、アジア全域としては、株価変動と為替変動への震源からの影響は非対称であり、株価から為替レート変動というCausality(影響力)が意外に大きいことが明らかとなった。特にタイでは、この「株価→為替」というCausalityが強いこと、すなわち、タイではFundamentalsの悪化が先に起きて、それが通貨アタックを招くというシナリオであったことが示唆された。 日本の銀行破綻が為替市場の取引に及ぼした影響の分析に関する析究では、1997年7月1日から1998年1月9日までの為替市場でのディーラー提示円ドルレートBID-ASKデータ(TICHデータ)を用いて行った。各ディーラーの提示する売買の全ての気配値をレコードしたデータをクリーニングし、10分毎の最終値を用いて、為替リターンの分散の影響をGARCHモデルで推定した結果、為替リターンの分散には非対称性やvolatility clusteringの存在が明らかとなった。 とくに、条件付き分散の係数は1に近いことから、分散に対するショックの持続性が認められた。さらにGARCH分析結果の月毎の違いが有意であるかどうかを確かめるためF検定を行った結果、月毎に予期せざるショックからの影響を比べると、11月はサンプル期間平均に比べて低く過去のreturn分散の影響が強いことが分かった。11月の一連の銀行、金融機関破綻が、為替リターンに影響を及ぼしたと考えられる。また、Bid、Askそれぞれの提示数(Quote Entry)や値幅を細かく分析した結果、ディーラーが破綻後にニュースに敏感となったことが判明した。
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