研究課題/領域番号 |
14730107
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
経営学
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研究機関 | 上智大学 |
研究代表者 |
細萱 伸子 上智大学, 経済学部・経営学科, 助教授 (50267382)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2004年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2003年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2002年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | 日系多国籍企業 / シンガポール / 人材育成 / 労働政策 / 日系企業 / 多国籍企業 / 地域統括拠点 / RHQ / HRD / HRM / 地域統括会社 |
研究概要 |
本年度の資料研究およびシンガポール現地調査による研究成果は以下の2点である。第一は、シンガポール政府によるRHQ政策の展開を整理し、それ以外の知識集約ハブとなるための支援政策について時系列的に整理した。第二は現地日系RHQおよび大型小売業企業のヒアリングを行い、現地における域内人材育成支援政策の実際と情報交流について検討した。 シンガポールのRHQ政策は2000年ごろから再編成が進められ、外資系企業のみならず、地元企業であっても、アジアパシフィック地域のビジネス統括や知識交流のハブとなる際には税制面での優遇を受けられるというものになっており、域内の知識・情報交流の中心となることによって、知識労働者への需要を生み出し、同政府が目指す知識集約型労働を中心とした国づくりを目指すという意味での一定の効果を挙げている。その一方で、ビジネススクールを中心とした高度職業教育、リストラによる失業者への短期集中IT教育などを通じて、労働供給面での支援を目指している。そうした意味では、労働政策が産業政策と連携して進められ、時宜に応じて選択と集中を図るという構図は依然継続しているものと考えられた。 一方日系RHQについては、マネジメント教育については支援政策が進みつつあるが、専門教育についてはそれぞれのアジア地域戦略および親会社事業戦略によって対応が極めてばらついており、現段階では事例研究によって一定の傾向性を見出すことはできない。過去5年間の対応に大きく影響を与えているのは、日本本社による事業戦略の大きな変動である。マネジメント教育に関しては、現段階で地域単位のプログラムを開発中である企業も複数見られ、地域統括拠点のひとつの機能として人材育成支援が定着しつつあり、そこを中心とする担当者レベルでの活発な情報交流が継続しているものと理解された。反面、事業間の技術的距離が大きい場合には、シンガポールを舞台とした職能訓練支援が行われることは少なく、むしろ本社あるいは親事業部との連携が重視されるものと思われた。シンガポールを舞台とした職能訓練を目指すとすれば、現地社会貢献としての意義も含めながら、現地労働界へ訓練を開放する道が残されているが、これを行う企業はきわめて限定される。
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