研究課題/領域番号 |
14730127
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
会計学
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研究機関 | 東京国際大学 |
研究代表者 |
若林 公美 東京国際大学, 商学部, 助教授 (20326995)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2003年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2002年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 財務会計 / 時価 / 包括利益 |
研究概要 |
(1)研究の範囲 本研究は、企業価値を評価する上で、時価情報がどのように役立つかを実証的に検証することを目的としていた。近年の取得原価主義に基づき算定された1株当たり当期純利益と1株当たり株主持分および配当によって企業価値を評価することが可能である。これに対して、時価評価差額(期首と期末の時価差額)を加えた広義の1株当期純利益、累積評価差額(時価と簿価の差額)を含んだ広義の株主持分と配当により、企業価値を評価することも可能である。そこで、本研究では、時価情報を利益計算に含める場合と含めない場合では、いずれが企業価値をよりよく説明できるかという問題に取り組むべく分析を行った。 本年度、実証分析に用いた時価情報は、有価証券の時価評価差額である。1992〜1999年度にかけて当該情報の開示が要請されて来た。 (2)研究の内容および結果 本研究は、当期純利益を所与とした場合、有価証券の評価差額(期中変化額)が企業価値評価に役立つとみなされるか否かという記述的分析を行った。分析の結果、有価証券の評価差額には株式リターンを説明する増分情報内容を有しているという結果は得られなかった。また、当期純利益と比較して、有価証券の評価差額を加えて算定した会計利益情報を用いたほうが、よりよく株式リターンを評価するという結果は得られなかった。つまり、分析の結果から、時価評価差額と企業価値評価の間に有意な関係は見られないことが明らかにされた。
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