研究課題/領域番号 |
14730132
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
会計学
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研究機関 | 京都産業大学 |
研究代表者 |
一高 龍司 京都産業大学, 法学部, 助教授 (30330137)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2004年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2003年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2002年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 課税繰延 / 貸倒損失 / 貸倒引当金 / 租税会計 / 課税のタイミング / 発生主義課税 / 租税法 / 損金算入 / 税務会計 / 発生主義 / 債務確定 / 権利確定 / 実現主義 / 法人税 / 課税ベース / 前受収益 |
研究概要 |
本年度は、上記研究課題の最終年度であるから、取りまとめとしての研究と、その展開可能性を探る研究の両方に取り組んだ。昨年度後半に、近時最も議論の多い、貸し倒れに関する成果を二本活字にして公表することができたので、とりわけ後者に力点を置いて、今後の応用領域を模索した。そこでの課題のひとつが、ストックオプション等会社従業員の受ける経済的便益の租税会計上の取り扱いである。現行法上、役員賞与が損金不算入とされているため、行使利益見合い額の損金算入も認められていない。かかる取り扱いは、昨今の企業の報酬体系多様化に対応しない制度として批判されてきており、わが国企業の国際的競争力という点においても問題が多い。一連の裁判例も、かかる背景を知らずして適切に理解し得ないのである。世界の議論(OECD等)は、今では、法人間の控除の問題、とりわけその金額の適正性とタイミングが議論され始めているのである。本年度は、ストックオプションに関する成果をまとめつつ、来年度へ向けて、この点の基礎固めを行った。 国境を越える対価の支払いは、使用料に関しても問題となる。今年度に成果として残せたのは有名な最高裁判決の分析結果であるが、そこでも、対価の支払いのタイミングを操作することで、源泉地の性質変更を行う納税者のスキームが成功している。実は、この対価は、わが国での取り扱いとしては、資産計上すべきものであったと思われるのであり、そうなると、国境を越えた対価の支払いを伴う資産償却の国際課税または租税条約上の取り扱いが、租税回避の論点とともに浮かび上がってくるのである。リースを用いた租税回避スキームが大きな問題となっているが、資産償却のタイミングと、国際租税回避の問題は、それに限られないのである。
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