研究課題/領域番号 |
14740014
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
代数学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
永田 誠 京都大学, 数理解析研究所, 助手 (30293971)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2004年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2003年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2002年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | ディオファンタス近似 / 数論的微分方程式 / パデ近似 |
研究概要 |
本年度は、前年度の研究実績の概要で報告した多項式のabc定理のFuchs型線形微分方程式の解空間への拡張、の数体上類似の研究に邁進した。 現状的にはその数体類似は標語として以下のものが妥当であろうという考えに至った:「格子全体(剰余類空間)が(アデールの)数の幾何でいう凸体に作用していてその凸体と格子との交点の個数というディオファンタス的な量はジーゲルの平均値定理で記述される、ということが、モノドロミー群が微分方程式の解空間に作用していてそのexponentsというディオファンタス的な量がFuchsの関係式で記述される、に対応している。」 Weilの教科書によれば凸体はcoherent systemと呼ぶものに対応するが、上の標語ではその意味でのcoherent sheafの類似として凸体を観察していないことに注意する。凸体は単にモノドロミー群が作用する対象の類似と見なすのである。 上で登場する格子全体はモノドロミー群のような有限生成群ではないし、仮に解空間の対応物が凸体ということを認めるにしても微分方程式の解に対応するものは見当たらない。Fuchs型微分方程式は複素球面上の対象だが、この類似では対応するものがよく分からない。従ってこの標語は精密な「辞書」というものではなくディオファンタス問題への、アプローチとして似たようなもの、というと捕らえるべきであろう。 残念ながら本年度内の実績として間に合わなかったものの、上の標語に従い、多項式のabc定理のFuchs型線形微分方程式の解空間への拡張の数体上類似物としての話題が、ごく近い将来発表出来るであろうと強い期待を持っている。具体的にはジーゲルの補題周辺の話題となるであろう。 また、前年度研究集会数理解析研究所短期共同研究「微分方程式と力学系における数論的現象の研究」において発表したものが本年度出版された。
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