研究課題/領域番号 |
14740026
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
代数学
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
宮崎 琢也 慶應義塾大学, 理工学部, 助教授 (10301409)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2004年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2003年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2002年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 導来函手加群 / 齋藤・黒川保型表現 / Lnaglands-Arthurパケット / テータリフティング / Rallis内積公式 / Siegel保型形式 / 齋藤・黒川持ち上げ / コホモロジー的表現 / Siegel-Weil公式 / Eisenstein級数 / Whittaker模型 / テータ対応 / Koecher効果 |
研究概要 |
Langlands-Arthurパケットを用いたアデール群の二乗可積分な保型表現の分類研究は、近年その重要性が増している。特にこの種の分類研究に関して典型的な例を与えているのが、2次ジーゲル保型表現に現れる非緩増大な齋藤・黒川パケットである。このパケットに属する保型表現は尖点的なものおよび剰余的なものを一般に含み、ここで尖点的なものはいわゆる一般化されたRamallujan予想が成立しない特徴的な保型表現としてよく存在が認識されているものである。研究代表者はこのQ上の齋藤・黒川パケットに属する保型表現のうち、実素点においてSp(2,R)のジーゲル極大放物部分群に関連する非緩増大非正則導来函手加群を局所成分とするものを、半整数重さの楕円保型形式から5次分裂直交群へのテータリフティングによって具体的に構成し、そのフーリエ展開の明示的研究、およびそこから観察されるリフティングの二乗可積分性の証明をおこなった。このフーリエ展開の研究からはさらに、この非正則齋藤・黒川表現に対する非自明な大域的退化Wllittaker模型の特徴付けも得ることができる。特にこの非正則齋藤・黒川表現が剰余的になる場合、そこに寄与する非自明なフーリエ係数の研究は今後に興味をつなげる部分であると思われる。 上の研究で構成した非正則齋藤・黒川表現に対して、正規化されたRallisの内積公式の手法を適用することでPetersson内積値を楕円保型形式のL-値と関係付けることができる。ここではテータリフティングにもちいるテスト函数を明示的に指定することによって、実素点での局所積分も具体的に計算できることが特徴である。 齋藤・黒川パケットの構成をさらに退化した無限小指標をもつ半整数重さの楕円保型形式に対して適用すると、ボレル部分群に付随する非緩増大な尖点的ジーゲル保型表現をふくむArthurパケットが得られることを局所的なテータ対応を介して確認できる。今後この退化したジーゲル保型表現の大域的なフーリエ展開の数論的性質を研究することに興味がもたれると思われる。
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