研究課題/領域番号 |
14740077
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
数学一般(含確率論・統計数学)
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研究機関 | 福岡教育大学 |
研究代表者 |
中田 寿夫 福岡教育大学, 教育学部, 助教授 (10304693)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2004年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2003年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2002年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 分散アルゴリズム / ランダムウォーク / カップリング / 差分方程式 / 1次元ランダムウォーク / ランダム環境 / マルコフ連鎖 / 再帰性 / 正規分布 / グラフ / ネットワーク / アルゴリズム / 最大パス / 確率分布の裾の評価 / 最大値の分布 / LSIの設計 |
研究概要 |
本年度は、ランダムウォークを応用して分散アルゴリズム理論の研究を行った。具体的には1990年にHermanによって提唱された、確率的分散アルゴリズム、すなわち、Hermanの確率的自己安定アルゴリズムの平均終了時間についての数学的な評価を得た。 これまでの自己安定アルゴリズムの研究において、多くのアルゴリズム理論研究者により、決定的アルゴリズムでは実現できない良い性質を持つアルゴリズムとして確率的アルゴリズムが定式化され、さらに、それが確率1で停止する事を示してその有効性が議論されていた。Hermanによる仕事もその一例である。 しかし、停止時間の期待値を具体的に求める、あるいはシャープに評価するのは困難とされていた。ここでは、ランダムウォークのカップリングの議論を用いて、その状態の推移をマルコフ連鎖として定式化し、複雑な連鎖を簡単な差分方程式に帰着することに成功したことにより、その平均時間に関しての非自明な評価を得た。 国外では、同時期(本報告書の論文よりも僅かに後)にCNRSのFribourg教授のグループ(DISC 2004,LNCS,3274)により、同様の結果が発表されている。彼らの手法は、2000年前後に発見され現在も理論計算機の分野で爆発的に研究されている「パスカップリング」と呼ばれている手法を用いているが、彼らよりも良い評価を与えることになった。
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