配分額 *注記 |
3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2004年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2003年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2002年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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研究概要 |
連立一次方程式の係数行列がHessenberg行列の場合について,SOR法の緩和係数の選び方等を示した論文が昨年度に掲載され,今年度は非対称な密行列に対する数値実験結果により,方程式を解く順序付けによる収束の速さの違いを改めて確認した.順序付けの意義と一般的な行列に対する行列分離との関連付けについて今後もまとめて投稿する予定である. 一方で,室谷義昭教授(早大)とH.Brunner教授(Memorial University of Newfoundland)との共同研究として,時間項に比例遅れを持つパンタグラフ方程式やVolterra積分微分方程式について,第一区間に選点法を適用した場合の誤差解析が昨年度に掲載されている.引き続き今年度は,特別な問題での拡張を数値実験で発見しており(雑誌論文4に関連),投稿準備中である.また,第一区間以降の計算に有理関数を利用することで,選点法の初期区間が非常に小さくなりすぎる欠点を改良した計算手順を2004年10月の国際会議で提案した.その論文は現在,J.CAMに投稿中である.この手順の計算量を考慮した区間分割の改良等についても来年度5月の国際会議で発表できるように準備を進めている. さらに昨年度,各世代間の生物の個体数に関する複数の区分的定数遅れを持つロジスティック方程式について,数値実験を利用した従来と違うタイプの証明を用いることで,解の大域的漸近安定性の十分条件を大幅に拡張することができた.その論文が今年度に掲載されている(雑誌論文1).加えて,この証明法を利用することで非線形差分方程式の安定性の十分条件を拡張した論文も続けて掲載されている(雑誌論文2,3).そこで来年度にかけても,連立型の問題等への応用等の研究を継続して行う.
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