研究課題/領域番号 |
14740129
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
天文学
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
釣部 通 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助手 (60335338)
|
研究期間 (年度) |
2002 – 2004
|
研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
|
配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2004年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2003年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2002年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
|
キーワード | 星形成 / 天体形成 / 宇宙流体力学 |
研究概要 |
本研究の目的は、理論的見地から宇宙の晴れ上がり以降に最初に形成する宇宙初期の天体形成の物理過程を明らかにすることである。このような宇宙初期の天体形成はさまざまな条件の相違から現在の天体形成とは性質が異なるため、本研究では、原始ガス雲の熱的、力学的な物理素過程の詳細を考慮して形成過程の研究を行った。宇宙論的な密度揺らぎが成長した結果、100万太陽質量程度の質量をもった密度揺らぎが赤方偏移20程度の時期に最初の天体を作ることが予想されている。これは密度揺らぎの初期振幅と冷却材である水素分子の形成量およびその冷却能力から決まっている。しかし、これらの議論は天体形成のごく初期段階に対する示唆を与えるに過ぎない。本研究では、非線形重力収縮の最終状態として形成される天体がどのようなものであるかを明らかにすることを目的として研究を進めた。これまで単純な熱進化モデルを用いてダイナミクスの詳細を調べてきた。その結果、重元素がまったく含まれていない場合、重力収縮中の実効的比熱比が初代星の形成中に1.1程度であることから暴走収縮期の分裂は起こりにくいことを明らかにしてきた。本年度は、微量な重元素があることによってこの状況がどのように変更されるかということも考察した。微量な重元素が存在することによって密度の上昇に伴い重力と圧力の比が進化とともに変動する。この効果を取り入れてさまざまな重元素量に対する形状の進化を単純なモデルで計算した。重元素の量が現在の太陽の100万分の1から10万分の1程度になると重力収縮中に高密度領域の形状が大きくゆがんでフィラメントが自然に生成され、小質量の天体ができる可能性が高いことが分かった.非線形数値計算による直接計算も行った。またそのためにも役立つ粒子法による宇宙流体力学の計算方法の改良も進めた。
|