研究課題
若手研究(B)
星を形成する分子雲コアの物理的、化学的進化を数値形成によって調べた。重力と圧力の釣り合った等音平衡解であるBonnor-Ebert球の重力収縮過程を数値流体計算によって調べた。その結果、球の中心密度が分子雲コア程度まで上昇したとき、球の収縮速度と密度分布が観測値とよく合うことが分かった。さらに化学反応ネットワークモデルを用いて球内での分子組成分布の進化を調べた。その結果、L1544やL1517Bなどの分子雲コアで観測されている分子組成分布-中心部での炭素系分子の減損、窒素系分子のほぼ一定の存在度、中心部でのアンモニアの増加-を再現することができた。一方初期に平衡からずれたガス球の収縮では、分子雲コア程度の密度の至った段階では炭素系分子の減損等はほとんど見られなかった。観測ではL1517Bとほぼ中心密度が等しいにも関わらず一酸化炭素減損のみられないコアが見つかっており、本研究結果からその違いが収縮開始時の重力/圧力比に依存することを示唆する。またコア内での分子の重水素濃縮やダスト表面反応による氷組成進化も明らかにした。以上の結果は論文としてまとめ学術雑誌に掲載された(Aikawa et al. 2005 ; Kandori et al.2005)。国際研究集会「Protostars & Planets V」において、星形成コアの観測に関するレビューチームに加わりコアの化学組成進化についての節を担当した(Di Francesco et al.2006)。
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Protostars and Planets V (in press)
The Astrophysical Journal 620
ページ: 330-330
The Astronomical Journal 130
ページ: 2166-2166
The Astrophysical Journal (in press)