研究課題
若手研究(B)
本年度は、昨年度の継続として、まず、時間依存密度汎関数法と吸収境界条件法を組み合わせた理論による原子核の応答関数計算を実行し、ベリリウム・アイソトープのアイソベクトル型双極子振動モードの解析を行った。昨年度の成果のひとつである実空間3次元非一様格子を用い、詳細な分析を行い、論文にまとめた。我々の方法の有用性・優越性を十分に示すことができたと思う。また、同じく昨年度からの継続としで、断熱近似自己無撞着集団座標(Self-consistent collective coordinate)の方法を用いた原子核変形共存現象の研究は、^<68>Seや^<72>Krにおけるプロレート・オブレート型の変形共存現象を解析した。Pairing-plus-quadrupole相互作用を用いた半現象論的な解析によって、低エネルギー集団運動のダイナミクスとして、^<68>Seにおいては非軸対称な自由度(ガンマ自由度)が、^<72>Krにおいては軸対称な自由度(ベータ自由度)とガンマ自由度の競合が非常に重要な役割を果たしていることを確認した。これについても論文をまとめ発表した。ハロー核の核融合反応に関する計算も、^<11>Beの解析を終え、ごく最近になって新しいデータが報告された^6Heの計算をダイニュートロン近似を用いて実行した。データとほぼ一致する結果を得た。この研究内容については、現在論文を執筆中である。弱束縛中性子の存在が、融合確率を減少させることは、これまでの常識と相反する結果であるが、この新しいデータは、かつてのデータ(融合確率が増加することを示唆)を否定するものであり、我々の主張に沿う形に修正されたといえる。
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