研究課題/領域番号 |
14740158
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
佐藤 昌利 東京大学, 物性研究所, 助手 (30313117)
|
研究期間 (年度) |
2002 – 2004
|
研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
|
配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2004年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2003年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2002年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
|
キーワード | バレー法 / 非可換統計 / マヨラナフェルミオン / ホモトピー / 多体トンネル効果 / 準可解性 / 超対称性 |
研究概要 |
本年度は、まずN-fold supersymmetryの多体系へ拡張を試みた。N-fold supersymmetryを単純に多体系に拡張することは計算の煩雑さを除けばそれほど難しくないが、物理的に満足いく形で拡張することは簡単でない。特に概念的な困難の一つは、フェルミオンの自由度とボソンの自由度が1対1対応するように拡張する方法が未だに知られていないことである。その克服を目指して、いくつかの試みを行い、新しい統計性についても考察を行った。特に新しい統計性であるProjective permutation statisticsに従う粒子の具体例を見出した。 また、N-fold supersymmetryに関連して以下の研究も行った。N-fold supersymmetryは通常のsupersymmetryと同様に非摂動論的効果、特にトンネル効果により自発的に破れる。その破れの様子を具体的に調べるために、バレー法という手法を我々は提案している。他方、トンネル効果の計算に対しては、インスタントンの希ガス近似の方法が有効であると信じられよく用いられている。これら2つの手法の有効性を比較するために、それぞれの手法で計算された3重井戸のポテンシャル間のトンネル効果を、数値計算の結果得られる値と詳細に比較した。その結果、希ガス近似は定性的な振る舞いから、数値計算の結果と異なっているのに対して、バレー法は非常に精密に数値計算の結果を再現できることがわかった。この結果は、田中敏明氏との共著論文としてまとめ発表した。Mod.Phys.Lett.に掲載予定である。 また、異方的超伝導体のトポロジーの研究も行った。超伝導体の準粒子の運動量空間における波動関数のトポロジーを解析することにより、異方的超伝導体をホモトピーを使って分類できる。その結果、新しいトポロジカル相が可能であることを見出した。
|