研究課題/領域番号 |
14740161
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
駒 佳明 金沢大, 理学部, 助手 (00334748)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2003年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2002年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 量子色力学 / 格子QCD / 双対Ginzburg-Landau理論 / 最大アーベリアンゲージ / QCDモノポール / 双対超伝導 / フラックスチューブ / クォークの閉じ込め |
研究概要 |
量子色力学(QCD)の非摂動的性質を格子QCDモンテカルロシミュレーションに基づく数値的研究と、QCDの低エネルギー有効理論(双対Ginzburg-Landau (DGL)理論)による解析的研究の両者を相補的に行い、QCD真空における非摂動的な性質のエッセンスを考察した。 (1)最大アーベリアンゲージ固定に基づくシミュレーションにより観測されているQCD真空の双対超伝導体的な性質に着目し、双対マイスナー効果によって出現するハドロン的フラックスチューブのブロファイル関数を格子QCDモンテカルロシミュレーションにより計算した。この計算で格子QCDで得られるフラックスチューブの構造はDGL理論の古典解と同じ構造をしていることが分かった。定量的な対応をみるためにはDGL理論において量子効果を取り入れる必要があることが分かった。ダイナミカルクォークの効果を取り入れた場合、有限温度の効果を取り入れた場合についても同様の計算を行っている。 (2)格子QCDで観測されている、QCDの非摂動的な力に対するCasimirスケーリング則と呼ばれている現象に対し、DGL理論のフラックスチューブ解の観点から考察を行った。その結果、その現象はフラックスチューブの形成という観点で説明がつくことを示した。 (3)DGL理論のフラックスチューブ解のストリング表示について研究した。フラックスチューブの有限の太さを考慮すると、非閉じ込め力がYukawa相互作用とCoulomb相互作用の競合した形で書けることを示した。 (4)SU(N)ゲージ理論におけるDGL理論の枠組みを提唱し、ゲージ理論の群構造とフラックスチューブ解の関係に考察した。Bogomol' nyi極限(タイプIとIIの中間)で、Nが無限大の極限の場合、フラックスチューブのストリングテンションの比がCasimirスケーリング則に従うことが分かった。
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