研究課題/領域番号 |
14740163
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理
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研究機関 | 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構 (2004) 高エネルギー加速器研究機構 (2003) 名古屋大学 (2002) |
研究代表者 |
西村 淳 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助教授 (90273218)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2004年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2003年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2002年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 超弦理論 / 行列模型 / モンテカルロ / 格子ゲージ理論 / 非可換幾何 |
研究概要 |
本研究では、行列模型を用いて超弦理論の非摂動的ダイナミクスを明らかにする事を目指している。我々は特に1996年に石橋・川合・北沢・土屋により提唱されたIKKT行列模型において、4次元時空や標準模型に現われるゲージ群が力学的に生成される可能性を追究している。 まず、そのような問題を具体的に扱えるように簡単化した行列模型について研究を行った。この模型はIKKT行列模型のボソニック部分を取り出し、さらにChern-Simons項を付け加えたもので、いわゆるfuzzy sphereと呼ばれる古典解を持つことが知られている。我々はこの模型をモンテカルロ・シミュレーションで解析する事により、Chern-Simons項の係数が大きい領域ではfuzzy sphereが非摂動的に安定であるが、係数を下げていくとそのfuzzy sphereが潰れて中身の詰まったボール状になる一次相転移が起こる事、又この模型では力学的に生成されるゲージ群がU(1)である事などを明らかにした。我々は4次元的な時空を古典解に持つような別の模型に対しても同様の解析を行った。これらの模型では、4次元的な時空が準安定的に存在できるが、生成されるゲージ群はいずれの場合もU(1)であることがわかった。 我々はさらに、上のような問題と密接に関係すると考えられる非可換幾何上の場の理論の性質を、行列模型のダイナミクスという立場から明らかにする研究も行った。特にスカラー場の理論において、UV/IR混合現象や、その結果として起こる並進対称性の自発的破れを数値シミュレーションによって明確に示した。またIKKT行列模型のモンテカルロ・シミュレーションに現われる困難を回避する新しい方法を応用して、有限密度QCDにおいて化学ポテンシャルをゼロに近づける極限と熱力学的極限との間にある種の非可換性が現われることを示した。
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