研究課題/領域番号 |
14740203
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
固体物性Ⅱ(磁性・金属・低温)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
柳瀬 陽一 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (70332575)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2004年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2003年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2002年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 異方的超伝導 / 電子相関 / 高温超伝導 / コバルト酸化物 / D-ベクトル / 運動エネルギー / Sr2RuO4 / NaCoO2 / 異方的伝導 / スピン三重項超伝導 / d-ベクトル / Sr2Ru04 / 電子相関効果 |
研究概要 |
(1)昨年発見されたコバルト酸化物超伝導体における異方的超伝導の可能性について理論的解析を行った。 この系のバンド構造を再現する3バンドハバードモデルに対して摂動論を適用した結果、この物質ではスピン三重項超伝導が実現している可能性が高いことを示した。 (2)バルト酸化物超伝導体におけるスピン三重項超伝導におけるD-ベクトルの方向を決定する微視的理論を構築した。結果的にP-波超伝導の場合には必ずD-ベクトルは2次元面内を向くこと、F-波超伝導の場合にはその方向はパラメーターに依存することがわかった。また、D-ベクトルに関する異方性はP-波の時はかなり強いがF-波の時は相当に弱いことが分かった。これらの結果とNMRの実験結果を比較することによりもっとも可能性の高い超伝導状態を決定した。 (3)高温超伝導体におけるエネルギー論を議論した。通常の超伝導体では、運動エネルギーを損するかわりに相互作用エネルギーを得することで超伝導が発現する。しかしながら、高温超伝導体においては、2つのエネルギーが協力的に働き、超伝導を引き起こしていることをFLEX近似を用いて示した。 (4)高温超伝導体における乱れの効果を研究した相関長が短いことによる特異な空間依存性が生じること、それによる強い揺らぎの増強が存在することを示した。この現象と擬ギャップ現象の関係について議論した。
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