研究課題/領域番号 |
14740208
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
固体物性Ⅱ(磁性・金属・低温)
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
小林 晃人 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助手 (80335009)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2004年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2003年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2002年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 伝導電子系 / 不均一性 / 相分離 / 共存 / 反強磁性 / 電荷秩序 / 超伝導 / 揺らぎ / 強相関電子系 / 金属絶縁体転移 |
研究概要 |
高温超伝導体や重い電子系では磁性と超伝導の共存または相分離が観測されている。また擬2次元有機導体では電荷秩序と超伝導の共存という新奇な現象が発見されている。高温超伝導物質に関しては、昨年までの我々の研究から、モット転移近傍の有限のキャリアードープ量において反強磁性-d波超伝導の不連続転移および相分離の可能性を示した。また擬2次元有機導体α-(ET)_2I_3の電荷秩序近傍の金属相において電荷揺らぎと超伝導の空間的な住み分けが起こっている可能性を示した。すなわち、この物質は単位胞に4個の等価でないET分子が存在するが、そのうちの一つのET分子上に強い電荷揺らぎが発生し、それを媒介としたS波超伝導が他のET分子上で生じている。 本年度はα-(ET)2_I_3における電荷秩序下の超伝導についての研究を行った。α-(ET)2_I_3の現実的な電子状態を正確に取り扱うため、近藤らによるX線構造解析に基づく拡張ヒュッケル法による遷移積分パラメータを用い、そこにオンサイト斥力Uと次近接サイト間斥力Vを導入した拡張ハバード模型を採用した。電荷秩序状態を平均場近似を用いて解き、そこでの電子状態を用いた乱雑位相近似とギャップ方程式の解析の結果、電荷秩序相ではET分子間にまたがる(非対角の)スピン揺らぎを媒介としてそれと異なるボンドでs波の超伝導が生じることを示した。
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