研究課題/領域番号 |
14740222
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
固体物性Ⅱ(磁性・金属・低温)
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研究機関 | 独立行政法人理化学研究所 |
研究代表者 |
池上 弘樹 独立行政法人理化学研究所, 河野低温物理研究室, 研究員 (70313161)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2004年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2003年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2002年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
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キーワード | ヘリウム3 / P波超流動 / アンドレーエフ反射 / 秩序変数 / ウィグナー結晶 / 表面量子現象 / 超低温 / リプロン / 超低音 / 熱交換器 / vibrating wire |
研究概要 |
超流動ヘリウム3はP波超流動ゆえ秩序変数に内部自由度がある凝縮相であり、この内部自由度は液体表面でのアンドレーエフ反射に多様性を与える。しかしこれまでに液体表面での現象を捉える有効なプローブがなく、アンドレーエフ反射の研究は未開の領域である。ところで、液面上に形成された2次元電子ウィグナー結晶の移動度は、液体内部より飛来するヘリウム3準粒子が液体表面で反射される際に変化する運動量に依存する。そのためウィグナー結晶の伝導度の測定がアンドレーエフ反射を観測する新たなプローブになりうる可能性がある。 本年度の第一の目標は、ウィグナー結晶の移動度測定がアンドレーエフ反射の研究に対し有効かを明らかにすることである。アンドレーエフ反射は表面現象でありバルクの寄与を抑えるために、超流動ヘリウムを100μKという超低温領域という極限温度まで冷却する必要がある。また、アンドレーエフ反射がもっとも明瞭に観測される超流動A相での測定を行いクリアーな結果を得ることを目指す。超流動A相では1ベクトルの空間変化(1テクスチャー)によりアンドレーエフ反射が起こると予想され、1テクスチャーを制御する必要がある。 本年度は、昨年度までに開発してきた冷却テクニックを用いて実験セルを製作した。実験セルは超流動ヘリウムを100μKまで冷却するための膨大な表面積を持つ熱交換器を有する。超流動A相は0.4Tの高磁場中で実現するが、高磁場中でも100μKまで冷却できるようなデザインになっている。また、磁場は液面に水平にかけるようになっており、液面近くでの1テクスチャーを制御して明瞭な結果を得られるよう工夫してある。ところで、冷却装置である核断熱冷凍機に重大な問題があり研究は非常に遅れた。しかし現在この問題も完全に解決されている。
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