研究課題/領域番号 |
14740224
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
固体物性Ⅱ(磁性・金属・低温)
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研究機関 | 独立行政法人理化学研究所 |
研究代表者 |
椋田 秀和 独立行政法人理化学研究所, 低温物理研究室, 研究員 (90323633)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2003年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2002年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | 量子ビット / 表面電子系 / ミリ波吸収 / 低次元微細構造 |
研究概要 |
液面上の低次元空間に一電子を閉じこめるとエネルギーが離散化する。その基底状態と励起状態の2準位を量子ビットとして利用して量子コンピューターを実現する提案がなされた。本研究では量子ビットの実現に向けて、離散化している垂直方向の束縛電子状態をミリ波を用いて制御し、単電子トランジスターを用いて状態を読み出すことを基本構造として、開発を進めている。液体ヘリウム上の単電子を量子ビットとして読み出すための単電子トランジスタを開発し、上記の実験と合わせて量子計算への応用の道を模索する予定である。 電子に状態間のエネルギー差に相当する周波数のミリ波(130GHz)を照射すると状態間の遷移が起こる。現在までに、ミリ波のソースと低温域まで導入可能な誘電体導波路を組み合わせ、1.4Kにおいてミリ波の照射テストを行った。ミリ波検知器であるInSbボロメーターを同じ1.4Kに設置し、両者とも動作することを確認した。外界から系をできるだけ孤立させ、十分長いコヒーレンス時間(=情報を保持できる時間)が期待される10mK以下の極低温域に設置する必要があるため、希釈冷凍機を用いて超低温10mK以下で表面電子系を形成して実験を行った。 測定セルを10mK程度の極低温まで冷却し、2次元電子系の作成に成功し、移動度の測定を行うことができた。2次元電子のマイクロ波吸収の実験では、遷移周波数から2次元電子の押さえつけ電場依存性、線幅から緩和に関する情報がそれぞれ期待できる。現在マイクロ波吸収信号を探索中で、ディテクタの種類をいくつか試し、より最適な観測システムを目指しさらなる改良を加えている。
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