研究課題/領域番号 |
14740243
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物性一般(含基礎論)
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研究機関 | 独立行政法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
関 和彦 独立行政法人産業技術総合研究所, ナノテクノロジー研究部門, 主任研究員 (60344115)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2004年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2003年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2002年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 移動度 / 電荷再結合 / アモルファス / 不規則系 / 電荷移動度 / 再結合反応 / ランダム系 / マーカス式 / 電場 |
研究概要 |
ドナー又はアクセプター分子をドープした高分子中での電荷移動やアモルファス半導体中での電荷の移動と再結合では、電荷の局在サイトのエネルギーの乱れが移動度や再結合速度を決める重要な因子である。アモルファス半導体では局在サイトのエネルギーの乱れのために移動度は異常な分散を示す。同様に再結合速度も時間について異常なベキ則で減衰する。しかしこれらの関係は知られていなかった。再結合の速度は分布を持ったエネルギー準位間の電子移動により律速されていると考えられる事から、電子の異常な移動度と再結合速度の関係を明かにすることを目的に研究を行った。 バンド端光励起によるアモルファス半導体からの蛍光は、電子と正孔の再結合による。励起光強度が十分に弱い場合には、生成された電子と正孔の密度が低く、再結合は電子正孔対の間で起こる。パルス励起後の蛍光強度は、マイクロ秒からミリ秒の長時間にわたって指数δでベキ的に減衰する。電子又は正孔が通常の拡散を示す場合には、対再結合による理論ではδ=3/2となる事が知られているが測定結果はδ<3/2である。一方、半導体中での電荷輸送は通常の拡散と異なりサンプル厚依存性や時間変化を示す。その原因は電子の輸送に関与するエネルギー準位の分布のために様々な時間スケールの電子のホッピング移動が混在し、ホッピングを特徴付ける時間がないためである。本研究では、この電子の異常分散と再結合反応による発光の大きさや時間変化には理論的な関係がある事を示した。又蛍光強度の温度依存性についても理論と実験の間で良い一致を示した。
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