研究課題/領域番号 |
14740252
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物理学一般
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研究機関 | 上智大学 |
研究代表者 |
岡田 邦宏 上智大学, 理工学部, 助手 (90311993)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2003年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2002年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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キーワード | Ca^+ / イオントラップ / イオン分子反応 / H_2O / 光解離 / イオン-分子反応 / 共同冷却 |
研究概要 |
平成15年度の研究成果は以下の(A),(B)である。 (A)生成イオンの質量分析とパルス計数法を組合わせた測定系を新たに構築し、Ca^<+^*>(D_J)+H_2O反応によって生成されたイオンの質量数を特定した。その結果Ca^<+^*>(D_J)+H_2O→CaOH^++H反応チャンネルが支配的であることを明らかにした。 <詳細>線形トラップの軸方向にチャンネルトロン付き四重極質量分析計を設置して、トラップから引出された反応生成イオンの質量分析を行った。昨年度まではCa^<+^*>(D_J)+H_2O反応によって生成される可能性があるCaOH^+(M=57)、HCaOH^+(M=58)イオンを区別できなかったが、質量分析計と高感度なパルス計数法を組合わせることにより、生成イオンの質量数がM=57であることを特定できた。 (B)深紫外光照射によるCaOH^+の光解離反応CaOH^++hv→Ca^++OHの実現を試み、それに成功した。 <詳細>光解離反応を起こすために必要な光子のエネルギーを事前に知るために、Gaussian03 software packageによる分子及び分子イオンのab initio計算を行った。その結果、CaOH^+→Ca^++OH解離エネルギーは約4.59eVであり、CaOH^+の光解離を行うためには波長270nm以下の深紫外光が必要とわかった。そこで、深紫外領域に比較的広い放射分布をもつ水銀キセノンランプを準備し、生成イオンへ照射した。その一方で、YAGレーザーの4倍波(266nm)をCaOH^+イオンへ照射し、同様に光解離を試みた。光解離反応の有無はCa^<+^*>(D_J)+H_2O→CaOH^++H反応によって一度失われたCa^+からのレーザー誘起蛍光強度が、紫外光照射によって回復するかどうかにより確認した。 紫外光照射を波長選択的に行うため、シャープカットフィルター、干渉フィルターを光学系に挿入し、特定領域の波長のみをもった紫外光を照射し、大まかな光解離断面積の波長依存性を測定した。その結果、光解離は266nmの光子では起こらず、λ=255nm以下の深紫外光によって起こることを明らかにした。また光解離断面積は〜10^<-18>cm^2程度の大きさをもつことが分かった。 以上の成果はRIKEN Accel.Prog.Rep.2003及び第59回日本物理学会年次大会(2004年3月福岡)で公表予定である。
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