研究課題/領域番号 |
14740266
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
固体地球物理学
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
加藤 護 京都大学, 大学院・人間・環境学研究科, 助手 (70335230)
|
研究期間 (年度) |
2002 – 2003
|
研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
|
配分額 *注記 |
2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
2003年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2002年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
|
キーワード | 上部マントル / マントル遷移層 / 速度不連続面 / 地震波形解析 / 実体波 / マントル / 地震波動論 / 地球内部科学 / 深発地震 |
研究概要 |
本研究では、マントル遷移層の速度不連続面(410km不連続面、660km不連続面)における、地震波速度、および、密度の変化率を考察することを試みた。速度不連続面に地震波が入射した際に、発生する変換波フェーズや、反射波フェーズの振幅から、反射係数・透過係数などを見積もることを波形の解析から行い、さらに、これら観測データを満たす、マントル遷移層付近における速度・密度変化率のモデルを提出することを目標とした。 データの収集に関しては、日本周辺の広帯域観測網の記録に加え日米のグループによって、南太平洋のホットスポット周辺地域、インドネシア付近で展開された臨時観測網の記録を収集することができた。記録の質の点でやや期待していたものに達していないために、多数の地震記録から構造の情報を得る手法の改良が必要となる。 本研究期間を通じて、我々が過去に開発した、広帯域アレイ地震波形データを利用する手法の改良に従事した。まず、本研究開始より、複数の周波数帯のデータを同時に扱うよう解析法の開発を試みた。理論的にはこの手法が、マントル遷移層の情報を多く引き出すために必須であることが分かっているためであったが、現時点では当初の目的を十分達成するに至っていない。十分大きな信号を持つ周波数が限られていることなどにより、狭帯域での信号処理が要求されることについて、十分ロバストな手続きが確立していない。この点については、今後も引続き検討を加える方針である。また、マントルの3次元速度構造の影響が解析結果に及ぼす効果についても検討を行った。この過程で、現在広く参照されている3次元トモグラフィー解析手法に関する問題点を発見した。この改善についての成果を論文として発表した。
|