• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

結晶中における有機分子のペダル運動の解析

研究課題

研究課題/領域番号 14740343
研究種目

若手研究(B)

配分区分補助金
研究分野 有機化学
研究機関東京大学

研究代表者

原田 潤  東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助手 (00313172)

研究期間 (年度) 2002 – 2003
研究課題ステータス 完了 (2003年度)
配分額 *注記
4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
2003年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2002年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
キーワードX線結晶解析 / ペダル運動 / 配座変換 / 瞬間冷却
研究概要

(E)-スチルベン(PhCH=CHPh)類および類似した分子骨格を持つ化合物中には,分子の向きが180°回転した関係にある2つの配座が結晶中で乱れて存在する(disorder)ものがあることが知られている.研究代表者はこれまでに,いくつかのスチルベン・アゾベンゼン(PhN=NPh)類について,このdisorderをもたらす2つの配座間には平衡が成り立っており(dynamic disorder),その配座変換が自転車のペダルをこぐような運動(2つのベンゼン環がペダルに相当)によって引き起こされていることを明らかにした.今年度は,スチルベンおよびアゾベンゼンの母体化合物の配座変換について,高精度のX線結晶解析によって詳細な検討を行った.これらの化合物の結晶中に存在する2つの配座の存在比は,融点直下から150K付近までの温度領域ではvan't Hoffの式に従うのに対して,150Kより低温域ではvan't Hoffの式に従わなくなることを見出した.また,これらの結晶を室温から90Kに瞬間冷却した状態と,室温から1K/minの速度で90Kまでゆっくり冷却した状態では,結晶中の2つの配座の存在比が異なることがわかった.これらの結果は,低温でペダル運動による配座変換が凍結し,熱力学的非平衡状態が発生したことを意味している.更に,瞬間冷却した単結晶を用いて,非平衡状態のX線解析を行うことで,低温の平衡状態では存在できないような不安定な配座を観測することに成功した.

報告書

(2件)
  • 2003 実績報告書
  • 2002 実績報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 小川 桂一郎: "Photochromism of Aza-aromatics with Hydroxy Group. Intermolecular Proton Transfer in Glassy Solution"Chem.Lett.. 840-841 (2003)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書
  • [文献書誌] 原田 潤: "X-ray Diffraction Analysis of Nonequilibrium States in Crystals : Observation of an Unstable Conformer in Flash-Cooled Crystals"J.Am.Chem.Soc.. 126(印刷中). (2004)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書
  • [文献書誌] 藤原 宗賢: "Solid-State Thermochromism Studied by Variable-Temperature Diffuse Reflectance Spectroscopy. A New Perspective on the Chromism of Salicylideneanilines"J.Phys.Chem.B. 108(印刷中). (2004)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書
  • [文献書誌] 岩岡道夫: "Heavy-Row Atom Effects on the Strength of the Weak Nonbonded Interactions between Divalent Selenium and Halogen Atoms"Chem.Lett.. 518-519 (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] 小川桂一郎: "Aggreation Controlled Proton Tautomerization in Salicylideneanilines"J.Mol.Struct.. 647. 211-216 (2003)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書

URL: 

公開日: 2002-04-01   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi