研究課題/領域番号 |
14740441
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
植物生理
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
西山 佳孝 愛媛大学, 無細胞生命科学工学研究センター, 助教授 (30281588)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2003年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2002年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | 酸化ストレス / 活性酸素 / タンパク質合成系 / 光合成 / 光化学系II / 修復 / ラン藻 / エロンゲーションファクター / タンパク質合成 |
研究概要 |
ラン藻Synechocystis sp.PCC 6803を用いて活性酸素によるタンパク質合成系の阻害機構を明らかにすることを目的とした。具体的な目標として、(a)タンパク質合成の中で活性酸素により阻害されるステップを同定する。(b)阻害する活性酸素種を特定する。(c)活性酸素のターゲットとなるアミノ酸残基を特定する。(d)ターゲット部位を改変した変異株を作製して酸化ストレス耐性を解析することを計画した。 計画(a)に関しては、過酸化水素やスーパーオキサイドにより阻害されるステップがペプチド鎖伸長反応であることが明らかとなった。計画(b)では、光化学系IIの光損傷の元凶だとされている一重項酸素について、その作用機構を解析した。その結果、一重項酸素も光化学系IIに損傷を与えるのではなく、光作学系IIの修復を阻害すること、タンパク質合成系のペプチド鎖伸長反応が最初のターゲットになっていることを明らかにした。これは光合成の光阻害機構のドグマとなっていた定説を覆す発見であった。この成果により、活性酸素は、その種類によらずペプチド鎖伸長に関わる特定のアミノ酸残基を攻撃することが示唆される。したがって、過酸化水素と一重項酸素に共通するターゲットとしてHis残基やCys残基に的を絞ることができた。計画(c)に関しては、エロンゲーションファクターG (EF-G)が活性酸素による阻害のターゲット因子と想定されたため、EF-Gホモローグをコードしている4つの遺伝子をSynechocystisからクローニングした。現在、これらの組換えタンパク質を作製して生化学的解析を行うとともに、過剰発現させたSynechocystisの変異株の作製を祈っている。計画(d)に関しては、EF-GのHis残基やCys残基を改変することによってin vitroおよびin vivo の系で酸化ストレスに対する耐性を調べていく予定である。
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