研究課題/領域番号 |
14740463
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
動物生理・代謝
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
岡田 二郎 九州大学, 大学院・理学研究院, 助手 (10284481)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2004年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2003年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2002年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 昆虫 / ゴキブリ / アンテナ(触角) / 触覚 / アクティブ・センシング / 機械受容 / アンテナ運動 / 機械受容器 / 中枢機構 / アクテイブ・センシング |
研究概要 |
1.In vitro標本におけるアンテナ運動系の解析:昨年度の研究から、拘束標本においてアンテナ運動がムスカリン性アゴニストの投与により惹起できることが分かった。今年度は摘出脳標本を用いて片側5本全て、あるいは両側最大8本のアンテナ運動神経の活動を同時計測しつつ、同薬物の効果を調べた。神経スパイクをユニットごとに分離し、様々なペア間で相互相関を調べたところ、極めて多様な相関様式が存在したが、それらのうちいくつかは以前の行動解析の結果をよく説明しうるものであった。アンテナ鞭節への機械刺激により、活動中のアンテナ運動神経は興奮や抑制が起こった。さらに同一神経で興奮と抑制を数回繰り返す応答例は、インタクトな動物でよく見られる反復反応に相当すると推測された。以上は、昆虫アンテナによる触覚性アクティブ・センシングがin vitro実験系でも再現可能であることを示す結果であり、同時に未着手の細胞内記録法によるアンテナ機能解析の基盤を築いた成果と言える。同解析の早期開始を目指したい。 2.接触定位行動時のアンテナ運動と体移動の関連:ゴキブリは正の接触走性によりアンテナに物体が触れるとこれに向かって定位する行動を起こす。トレッドミル上の動物のアンテナへ物体を提示し、その際の体移動を計測したところ、接触頻度と定位方向の精度との間に明確な相関が存在した。 3.ゴキブリのテクスチャの弁別能:物体のきめ(テクスチャ)は物理的環境を知るための手がかりであり、これには触覚器官の能動的運動が極めて重要であることがヒトの心理学研究で明らかにされている。ゴキブリが人工的テクスチャを弁別可能かどうか、餌の匂いを報酬とする連合学習実験をおこなったところ、肯定的結果が得られた。またアンテナを不動化すると、有意に学習が阻害されたことから、テクスチャの弁別には能動的アンテナ運動が不可欠であると推測された。
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