研究課題/領域番号 |
14740475
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
系統・分類
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研究機関 | 神奈川県立生命の星・地球博物館 |
研究代表者 |
出川 洋介 神奈川県立生命の星・地球博物館, 学芸部, 技師(研究職) (00311431)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2004年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
2003年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2002年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 分類 / 生物学的種 / 種概念 / 生物地理 / 生殖隔離 / 温度適性 / 菌類 / 隠蔽種 / 温度適正 |
研究概要 |
Mortierella capitataの二つの種内交配群は、無性生殖形態は同一であるが、互いに1)生殖前隔離を示し、2)菌糸体生育温度適性範囲に差があり、3)接合胞子形成温度の適値が異なり、4)北半球では、温帯・熱帯域にそれぞれ排他的に分布し、5)分子系統解析(18SrDNA ITS領域)では、他種との差に匹敵する十分な遺伝的隔離を示した。以上のことから、二群は独立種として扱うのが妥当という結論に至った。M.capitataのタイプ標本は失われていた為、タイプロカリティ(ベルギー)で調査をした結果、温帯域に分布するC群がM.capitataに相当することがわかり、ネオタイプ標本・基準菌株の指定が可能となった。他方、熱帯域に分布するW群には、本種のシノニムとされていたインド産のM.vesiculosaの基準菌株が含まれていたことから、同名称を適用するのが妥当である。本研究の成果の一部は日本菌学会第47回大会(2003年5月、北大)、中興大学真菌学セミナー(2003年12月、台湾)、アジア国際菌学会(2004年11月、タイ)、分類学会連合シンポジウム(2005年1月、科博)にて発表した。研究途上で明らかになったMortierella属の未記載種及び、それを宿主とする寄生菌の未記載属菌を記載発表した。また、M.capitataに類縁な未記載種からも、新たに二つの種内交配群が検出された。今後、詳細な検討を行い、その種内の構造をM.capitata - M.vesiculosaと比較することで、接合菌類の種分化過程解明の糸口が得られるものと考える。
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