研究課題/領域番号 |
14740480
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
人類学(含生理人類学)
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研究機関 | 九州大学(芸術工学研究院) |
研究代表者 |
石橋 圭太 九州大学, 芸術工学研究院, 助手 (40325569)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2003年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2002年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 心拍変動 / 自律神経 / 生理的多型性 / ウェーブレット解析 |
研究概要 |
静脈還流の違いが心拍変動の各周波数変動成分に及ぼす影響について、体位変換装置(ティルティングベッド)を用い測定した。さらに体位変換装置ごと水浸させ体位変換と水浸時の自律神経反応を比較検討した。 体位を水平から60度起こした状態では水平時と比較して、一般的に心拍数の上昇および末梢血管抵抗の増大が引き起こされるが、今回の研究からも同様の結果が認められた。心電図から算出した心拍数、およびインピーダンスカーディオグラム算出した心拍出量と血圧の値から推定した全末梢抵抗値の上昇からも確認された。血圧の反応としては若年被験者のデータであったことから、姿勢変化に対する血圧の変化は小さく一貫した傾向は認められなかった。本研究では体位を水平から60度起こした状態を一定時間保持した後、体位変換装置ごと水浸させる条件と、水平状態にもどす条件とを測定したが、循環器動態においてこれら2条件間に顕著な差はみとめられず、体位を水平から60度起こした状態でも下半身を水浸させることによって、水平安静時と同様の血行力学的反応パターンを示すことが明らかとなった。従って、精神的負担時の心拍変動解析における体位変換の影響に関して、体位の影響すなわち体幹角度よりもむしろ静脈還流そのものの違いが影響を及ぼすことが示唆された。 なお、同時に測定した直腸温も、体位を水平から60度起こした状態で一貫して上昇し、かつ、その後の水浸時および水平復帰時、両条件とも同様に下降した。この結果は血液が末梢から体幹部にシフトしたことによるものか、姿勢変化によって体温調節反応が変化したことによるものかは不明であるが、静脈還流の違いにより直腸温の変化を惹起する可能性を示唆している。 最後に、本年度の実験で得られたすべての心拍変動に関する知見から、一貫して、心拍変動には個人差が大きく、個人内変動と個人間変動とをわけて考察する必要性が確認された。
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