研究課題/領域番号 |
14750017
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用物性・結晶工学
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研究機関 | 芝浦工業大学 |
研究代表者 |
六車 仁志 芝浦工業大学, 工学部, 助教授 (20309719)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2004年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2003年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2002年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 鋳型重合法 / エバネッセント / 表面プラズモン共鳴 / 薄膜 / 生体模倣 / 光ファイバー / プラズマ重合 |
研究概要 |
本研究では、生体模倣(バイオミメティック材料)を薄膜ナノ構造化、集積化したチップの開発を目的とする。生体模倣材料は、鋳型重合法によって作製する。鋳型重合法は、基質に類似した形の化合物である鋳型分子(認識させたい物質)をその鋳型分子と相互作用するような化合物(機能性モノマー)と共に重合させ、その後に鋳型分子のみを取り除くものである。ここで得られたポリマー材料は鋳型分子の形状と化学的性質を記憶しており、その構造類似体である鋳型分子と特異的に相互作用する。 第三年度は、この生体模倣材料をエバネッセント領域を用いてナノ加工し、センシングシステムを構築した。そのために、表面プラズモン共鳴を利用した。ガラス基板上に4nmの厚さのクロムをスパッタリング形成し、その後に45nmの厚さの金をスパッタリング形成した。次にこの金の表面を反応溶液に浸した。反応溶液の成分は、アトラジン1mM、メタクリル酸2mM、エチレングリコールジメタクリレート40mM、2,2-dimethoxy-2-phenylacetophenone 0.5mM、溶媒はクロロホルムである。360nmのアルゴンイオンレーザ光反対のガラス面から入射角45度で照射する。光照射によって重合反応が開始し、生体模倣材料が金表面上に100nm程度して形成される。その後、酢酸/メタノールの混合溶液でガラスチップを洗浄した。測定は、アトラジン1mMのクロロホルム液を流したところ、表面プラズモン共鳴における共鳴角が減少した。これは、アトラジンが生体模倣材料薄膜に結合し、屈折率が変化し、共鳴角が変化したと考えられる。アトラジンと類似の化合物であるトリアジン化合物を流したところ、共鳴角の変化はアトラジンを流したときよりもはるかに少なかった。したがって、生体模倣材料が形成され、その機能を果たせていると言える。
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