研究課題/領域番号 |
14750018
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
表面界面物性
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
木村 康男 東北大学, 電気通信研究所, 助手 (40312673)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
2003年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2002年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | ナノ・テクノロジー / 固液界面 / ポーラスシリコン / ポーラスアルミナ / 陽極酸化 / 赤外吸収分光 |
研究概要 |
本研究では、固液界面反応場を制御することにより規則配列構造を有するナノ構造をシリコン上へ形成することを目的とした。本年度は、シリコン基板上の蒸着アルミニウム薄膜の陽極酸化により、シリコン基板上へのポーラスアルミナの形成を行った。その結果、アルミニウムの蒸着速度によって形成されるポーラスアルミナの孔の形状、配列が変化し、蒸着速度170Å/sの高速で蒸着したアルミニウム薄膜を陽極酸化した場合、孔が直線状に伸びた規則配列を有するポーラスアルミナ薄膜が得られた。蒸着速度が小さい場合、蒸着ボートからのタングステンの混入量が大きかった。さらに、低速で堆積したナルミニウム薄膜の表面ラフネスは大きく、それは、ポーラスアルミナ/シリコン界面の均一性を低下させた。つまり、シリコン上への規則配列ポーラスアルミナ膜の形成のためにはアルミニウム薄膜への不純物の混入の抑制および、表面の平坦性が重要であることがわかった。 ポーラスアルミナの陽極酸化を終了させる時間を決定するためには、実際に界面でどのようなことが起きているのかを知る必要がある。そのために、多重内部反射型赤外吸収分光法によるシリコン基板上アルミニウム薄膜の陽極酸化過程の"その場"観察を行った。その結果、基板としてp型シリコンを用いた場合、陽極電流密度ピークと同時にポーラスアルミナ/シリコン界面への溶液の侵入が観測された。その後、急速な酸化膜の形成が観測され、最後にはポーラスアルミナが剥離した。つまり、陽極電流密度ピークは、溶液がシリコンに接したために電気2重層状態が変化したことによると考えられ、p型シリコン基板上にポーラスアルミナを剥離させずに作製するためには、この陽極電流密度ピークの直後に陽極酸化を終了させることが重要であることがわかった。 また、シリコン基板上のSiO_2薄膜へのポーラスアルミナの規則配列構造の転写に成功した。
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