研究概要 |
粉粒体をモデル化した解析対象として,四角形容器中にランダム充填された直径6.3mmのナイロン球の集合体(8000個)を用い,その上表面の中心付近に,鋼球飛しょう体(直径6.3mm)を衝突させ,その衝撃挙動を,2台の高速度ビデオカメラによる撮影および三次元離散要素法によるシミュレーションにより詳細に調べた. ランダム充填された粉粒体の局所衝撃現象を支配しているパラメータを調べるために,まず,飛しょう体の衝突速度(1〜20m/s),衝突角度(0゜〜65゜)および直径(直径6.3mm,9.5mm,12.0mm)を変化させ,飛しょう体を衝突させた.その結果,飛しょう体が粉粒体の中に貫入,粉粒体の表面で停止,粉粒体から跳ね返る,粉粒体の表面を沿うように進むという4種の挙動のみが生じ,その挙動は主に飛しょう体の衝突速度および衝突角度により決定され,飛しょう体の半径が大きくなるほど,その挙動が変化する衝突速度や衝突角度は明確になることがわかった.また,飛しょう体の衝突速度,衝突角度および大きさにより,粉粒体の飛散挙動も大きく変化した.このような現象が生じる原因を離散要素法シミュレーションより調べたところ,粉粒体中を伝播する接触力の大きさ,伝ぱ方向およびその分岐の様子が重要な役割を担っていることがわかった.また,実験後に飛しょう体の貫入深さや貫入角度を測定したところ,これらも飛しょう体の衝突速度,衝突角度および大きさに大きく依存していることがわかった.以上のような挙動の変化は,容器のサイズによっても変化し,特に飛しょう体速度が大きいときには底面の影響が顕著になった.
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