研究課題/領域番号 |
14750097
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
設計工学・機械要素・トライボロジー
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
田中 真二 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (40313332)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2003年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2002年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 炭酸ガス / 自然冷媒 / 弾性流体潤滑 / 冷凍機油 / FT-IR / 冷媒圧縮機 |
研究概要 |
本研究では顕微FT-IRを用いて、炭酸ガスが溶解した冷凍機油の潤滑下で、EHL油膜内の炭酸ガス冷媒溶解濃度の2次元分布を測定し、炭酸ガス冷媒雰囲気中の弾性流体潤滑特性を明らかにすることを目的とする。今年度は、前年度に設計、製作した「炭酸ガス冷媒雰囲気中EHL油膜観察装置」の耐圧試験及び本装置を用いてEHL油膜内の炭酸ガス冷媒溶解濃度の2次元分布測定を行った。 本装置には高圧な炭酸ガス冷媒雰囲気を実現するための圧力容器が備わっており、実験前に水圧で圧力容器の設計圧力(12MPa)の1.5倍、さらに窒素ガス圧で設計圧力まで圧力を作用させて、耐圧及び気密漏れに問題が無いことを確認した。 次に、炭酸ガスが溶解した冷凍機油の潤滑下で、鋼球を接触させてできた点接触EHL油膜内の炭酸ガス冷媒溶解濃度の2次元分布を顕微FT-IRで測定し、潤滑条件の違いが冷媒濃度分布に与える影響について調べた。その結果、EHL油膜内の炭酸ガス冷媒溶解濃度は周囲よりも低くなること、潤滑油の引込速度が増加すると、EHL油膜内の冷媒溶解濃度は減少すること、周囲の潤滑油の冷媒溶解濃度が増加すると、EHL油膜内の冷媒溶解濃度との濃度差は大きくなることなどが明らかになった。 また、接触形態の違いがEHL油膜内の炭酸ガス冷媒溶解濃度分布に与える影響について調べるために、円筒試験片を接触させてできた線接触EHL油膜について、炭酸ガス冷媒溶解濃度の2次元分布の測定を行った。その結果、点接触時と同様に、EHL油膜内で冷媒溶解濃度が減少することがわかった。 以上の結果より、EHL油膜内での冷媒溶解濃度の変化に、潤滑面への潤滑油の引込速度が関与していることがわかったが、その詳細なメカニズムについては、今回予算の都合で実施できなかった高速度カメラによるヘルツ接触域近傍潤滑油の流れ測定を今後行い、その結果と併せて考察する予定である。
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