研究概要 |
AGV搬送システムの効率的な設計を行うため,統合的に部分設計問題群を解決する手法を提案した.AGV搬送システムにおいて,重要な部分設計問題であるAGV行動則設計問題と走行経路設計問題に対して,それぞれの解決法を提案すると共に,影響し合う両設計問題を統合的に解決することで,効率的なAGV搬送システムを設計する手法を確立した.統合設計の方法として,協調的共進化の関係に着目し,妥当な時間での妥当な解を得るための手法としてAGV搬送システムに適用した.また,協調的共進化における問題としてパートナー選択と進化周期に注目し,これらの解決を行った.具体的には,これら2つの設計について,その適用可能性を考えると共に収束速度による周期の変化という手法を提案している.この提案手法の有効性を示すために,シミュレーションによるシステム設計を行っており,比較対象として,単純に2つの設計対象の遺伝子を直列に繋いだ単純GAを採用している.そして,単純GAでは問題の規模から解決できない問題を共進化により設計可能であることを示し,また,パートナー選択の方法として,best vs. all選択とランダム選択という2つの方法を比較し,本対象ではランダム選択の方法が有効であることを示した.更に,本研究で提案した手法が様々な環境で有効であることを示すために,大きさの異なる3つの環境で手法の有効性を調べ,有効性を考察した.そこにおいて,進化周期を個体群の分散により適切に変更する方法が有効であることを示した.これより提案手法の有効性が明らかになった.
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