研究課題/領域番号 |
14750198
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
知能機械学・機械システム
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研究機関 | 津山工業高等専門学校 |
研究代表者 |
井上 浩行 津山工業高等専門学校, 機械工学科, 助教授 (00232554)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2003年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2002年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | コミュニケーション / ロボット / 介護作業 / 眼球運動 / 人間 / 感情 |
研究概要 |
1 研究目的・研究実施計画 本研究では、生活支援や介護支援など人間との接触を有する作業をロボットに行わせるため、マスタスレーブ方式による人間共存型ロボットの実用化を進めている。介護者がロボットを操作して介護作業を行う場合、要介護者は要望する介護を受けるために何らかの方法で介護者に介護意図を伝えなければならない。一般的には、言葉やジェスチャーなどによって介護者とコミュニケーションをとることが可能であるが、要介護者の障害の程度によってはコミュニケーション不足により意図に沿わない介護を受ける恐れがある。また、作業中に感じる恐怖や不快といった感情は低減しなければならない。そこで、本年度は障害者の残存能力として有用な眼球運動(視線方向)に着目し、眼球運動で意図や感情を表現しそれを介護者に伝えるコミュニケーションシステムを提案した。 2 研究成果 本年度は、要介護者が眼球運動によって表現する意図や感情を言語表現し、それをディスプレイ上に表示してロボットを操作する介護者に伝えるコミュニケーションシステムを提案した。そして、提案するコミュニケーションシステムの有効性を確認するため、マスタスレーブ方式のロボットを用いて被験者にペットボトル飲料を飲ませる介護作業実験を行った。 その結果、定型的な介護作業であれば眼球運動によって意図や感情を表現することができることを確認した。そのため、肢体不自由者や重度障害者のインタフェースとしても有効である。また、本手法は人間の大まかな視線方向で意図や感情が表現できるため、メニューを注視する手法に比べて疲労もほとんどない。しかし、眼球運動で複雑な意図を表現することは困難であった。次ぎに、ディスプレイ上に被験者の意図や感情を言語表現することで、介護者は簡単に相手の意図や感情を把握することができた。よって、本システムを用いることにより、要介護者は意図に沿った介護を受けることができると考える。今後は、汎用的な介護作業への応用について検討する予定である。
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