研究課題/領域番号 |
14750200
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
電力工学・電気機器工学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
菅原 広剛 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (90241356)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2003年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2002年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 混合ガス絶縁 / 絶縁耐力 / 相乗効果 / 電子付着 / エネルギー損失 / 6フッ化硫黄 / 窒素 / シミュレーション |
研究概要 |
地球温暖化防止のためのSF_6絶縁ガス使用量低減に向け、SF_6をN_2他で希釈した際に現われる絶縁特性相乗効果発生機構を混合ガス中の電子エネルギー損失過程と電子捕獲機構の面から解析した。 平成15年度は、電子のエネルギー損失過程および衝突間の電子挙動に関する14年度の解析結果を踏まえ、既に構築済みの計算機プログラムを用いて、電子衝突断面積の組み合わせの効果を主にSF_6/N_2、SF_6/CO_2、SF_6/c-C_4F_8の3つの混合ガスの比較を通じて解析した。解析結果は次のようにまとめられる。 SF_6/N_2混合ガス中では、電子はN_2との衝突によりエネルギーを失って低エネルギーとなり、2〜3eV付辺に存在するN_2の弾性衝突および振動励起衝突の断面積ピークに起因するバリア効果(電子エネルギー上昇を妨げる)によって低エネルギー状態に保たれその間にSF_6により捕獲されることが電子衝突履歴の追跡により確認できた。 SF_6/CO_2でもCO_2のバリア効果が見られるが、CO_2はN_2に比べバリアが低く高エネルギー寄りに位置することから電子を低エネルギー域に閉じ込め付着を促す働きはSF_6/N_2ほど強くない。N_2とCO_2についてはバリア効果の強弱とSF_6との相乗効果の程度は大小関係が一致しており、この種の混合ガスの相乗効果はバリア効果によるものと推測された。 SF_6/c-C_4F_8混合ガスにおいては、c-C_4F_8の電子励起衝突断面積の立ち上がりが急なことが励起の閾値付近での衝突を起こり易くし、励起衝突直後の電子エネルギーを低くする結果をもたらす。SF_6の電子付着は低エネルギーほど起こり易いため、閾値近くの励起衝突が直接電子付着に結びつくためと考えられる。
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